“墓を持たない”という選択「海洋葬」が県内でも 社会の多様化で”供養”にも変化

2023年03月16日 16:30更新

社会の多様化がキーワードとして挙げられる中、亡くなった後の供養の在り方も様々な考え方が広がっています。

 

 

今回はその1つ、「海洋葬」について取材しました。

 

 

 

3月6日、大分市内の墓地で、ある法要が営まれていました。

 

現在、関東に住んでいるというこちらの家族は両親などの遺骨を自宅近くに建てた墓に移すことを決めました。

 

 

そのための墓じまいです。

 

 

 

ーー専徳寺坊守 田村理恵子さん

 

「やはりそこに住んでないとか、お墓を守るためにこちらに帰ることがなかなか難しい。(墓じまいは)辛いというかさみしいというか、ただそれは致し方ないところがたくさん(あって)。いろんな事情聞いてみると、そういうところが多い。悩ましい問題ではないかと思います」

 

 

 

少子化や都会への人口集中などを背景に、難しくなっているお墓の管理。

 

こうした状況を受けて県内でも始まったのが、遺骨を海で供養する「海洋散骨」です。

 

 

 

ーーまるっと終活大分 木原寛代表理事

 

「大自然のなかの一部になるということで人気。海洋散骨というのは自然葬のひとつ。焼骨した遺骨を粉末状にして、海で散骨することを海洋散骨と言う」

 

 

こう話すのは、大分市にある一般社団法人・まるっと終活大分の木原寛さん。

 

去年1月から海に散骨する「海洋葬」を別府湾で始めました。

 

これまでに県内はもちろん、県外、さらに海外からも依頼があったといいます。

 

 

 

ーーまるっと終活大分 木原寛代表理事

 

「海は世界中で繋がっているので、一番遠いところで去年はイギリスからご依頼がありました。大分出身のお母さまをお見送りされたんですけど、『イギリスでまた会おうね』っていう風に言ってたのが印象的でした」

 

 

木原さんが海洋散骨を行うようになったきっかけは、自分の先祖の墓じまい。

 

海で供養しようとしましたが、県内では行われていなかったため自分たちで営むことにしました。

 

 

 

ーーまるっと終活大分 木原寛代表理事

 

「お墓というのは、私個人の考えだが生きている人のためにある。先祖に感謝する手を合わせる場所っていうのがお墓だと思う。ただそれが自然葬にすると例えば海洋散骨になると海がお墓になる。海に行けば故人に会えるとか先祖の力を借りられるとか、手を合わせる場所が変わるだけだと思う。自然葬の一つである海洋散骨という選択肢を1人でも多くの方に知ってもらいたい」

 

 

生き方の多様化が叫ばれる中、新たな供養の在り方も注目されています。

 

 

※代行で散骨:5万(税込み)

 

 ご家族でお見送り散骨:10万(税込み)

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