東日本大震災から12年 「“津波の恐ろしさ”風化させない」経験者が語る教訓と願い

2023年03月10日 17:00更新

3月11日で、東日本大震災の発生から12年となります。

 

そこで、「津波」についてお伝えします。

 

 

今後30年以内に、70%から80%の確率で発生するとされているのが「南海トラフ巨大地震」です。

 

大分県内では、最悪の場合約2万人が亡くなると想定されていて、その9割以上が「津波」によるものとされています。

 

 

東日本大震災で、津波の恐ろしさを経験した方などに話を聞きました。

 

 

 

2011年2011年3月11日に発生した東日本大震災。

 

巨大な津波が、人々の命や生活を一瞬にして奪い去りました。

 

 

岩手県釜石市では、最大で高さ32.87mの津波を観測。

 

死者、行方不明者合わせて1064人に上っています。

 

 

大分県臼杵市に住む板井幸則さん。

 

当時、消防隊員として釜石市に派遣され、行方不明者の捜索活動にあたりました。

 

 

 

ーー板井幸則さん

 

「この中で本当に助かることが出来るんだろうかと。こんなに津波って凄いのかと肌で感じました」

 

 

板井さんが派遣された地域に住んでいて、その津波から逃げ延びたのが、菊池のどかさんです。

 

 

 

ーー菊池のどかさん

 

「当時は、津波ってでっかい波が来るっていう体験談を聞いてたんですけど、見たものはもう真っ黒い壁みたいなもの」

 

 

当時中学3年生だった菊池さんは、地震の直後に学校から地域の住民たちと一緒に避難しました。

 

最初の避難先は700mほど離れた広場。

 

しかし海抜は4mほどで、そこで避難をやめず更に高い場所を目指しました。

 

 

この時の判断が生死を分けたといいます。

 

 

 

ーー菊池のどかさん

 

「津波って遠くじゃなくて高いところに避難しろって、よく震災前も教えられていたので、とにかくここだからいいやではなく、次の所にどんどん高いところを目指して逃げました」

 

 

地区には地震発生から約30分で津波が押し寄せ、菊地さんたちが最初に避難していた場所は津波に飲み込まれました。

 

学校では以前から地域ぐるみで津波の避難訓練などを行っていたため、当時、学校にいた生徒212人全員が無事だったということです。

 

 

ーー板井幸則さん

 

「我々が考えている以上に、災害は牙をむいてきます。自然災害に打ち勝つには、早期避難ということしかありません」

 

 

 

がれき津波の恐ろしさを、風化させない。

 

震災後、啓発活動を通じて知り合った2人は、今も定期的に情報交換。

 

 

板井さんは、現在大分大学で防災などを研究していて、学校での出前授業も行っています。

 

また、菊池さんは、地元の釜石市で被災地を案内するガイドとして働いていて、あの日の経験を伝え続けています。

 

 

ーー菊池のどかさん

 

「本当に地震が起きたら、どこに避難するかという場所を考えておく。地震が発生する前の今だからこそできることなのでは」

 

 

 

震災から12年。

 

教訓を忘れない事。そして、日ごろからの訓練や知識が命を守ることに繋がります。

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