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別府市の大学生が市内の共同温泉で毎日行っている、ある活動を紹介します。
利用客にも感謝され、およそ2年半で1200回以上にも上っているその活動とは?
別府大学文学部の3年生・重光宏哉さん(21)です。
Q:「活動のきっかけは?」
ーー別府大学3年 重光宏哉さん
「(共同温泉の)最初の印象がすごく良くて、こんな温泉あるんだって気付きで。地域の人の歴史、文化をもっと大切にしていきたいと感じたのがきっかけです」
午後8時半。
営業が終わった上人本町の前田温泉に重光さんの姿がありました。
重光さんが取り出したのは大きな機器とホース。
ーー重光宏哉さん
「今から温泉の掃除をします。基本1人で行います」
共同温泉を掃除するアルバイトをしているんです。
別府市によりますと地域が管理する共同温泉は市内に69か所ありますが、管理者の高齢化などでその存続が危ぶまれています。
前田温泉の管理はNPO法人が引き継いでいて、関係者と知り合ったことがきっかけで重光さんは毎日、大学の後に清掃作業を行ってきました。
前田温泉以外の共同温泉もまわっていて、多い日には4か所を掃除し深夜まで及ぶこともあるそうです。
およそ2年半続けた結果活動は、1200回以上に上っています。
共同温泉を守りたいという重光さんの思いに賛同する仲間も増え、前田温泉では現在、およそ40人の学生が清掃活動に参加しているということです。
ーー重光宏哉さん
「歴史的な共同温泉がどんどんすたれていくのはいい風には思っていません。なんとかして助けたいなという思いもありました」
常連客も学生たちに感謝しています。
ーー常連客
「市民にとってはうれしい」
「やっぱり事故とか年とったらあります。風呂掃除にまつわるもの。冬は寒いしとにかく。普通に(温泉に)入れるのも影の人の力があってこそ」
実はこちらの前田温泉、夜間はネオンが輝いています。
入り口には、女性の番台をイメージしたものも。
温泉を盛り上げようと、重光さんたちが参加したテレビ局の企画で施されたものです。
浴室の壁には別府の風景をイメージした絵も描かれていて、前田温泉の新たな魅力となっています。
ーー重光宏哉さん
「もっと若い人、観光客にもぜひこの共同温泉を体験してもらいたいです。たくさんの人に協力してもらえば共同温泉は残るんじゃないかと考えています」
地域の憩いの場の共同温泉。
その存在を守りたいという学生の思いが、別府の温泉文化を支えています。
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