「台風後の流木撤去作業」「街のアートの管理」誰がやっている?暮らしの中の“縁の下の力持ち”

2022年11月21日 15:30更新

命に関わることや、うるおいのある暮らしのために誰かがやっていること。

災害後の復旧作業は誰が?街にある像などの手入れは・・?

 

「目立たないけれど…これってとても大事なこと」ということを取材しました。

 

流木で埋め尽くされた河川敷 撤去作業「追いつかない・・」

 

9月。

大分県に接近した台風14号。各地で大きな被害が出ました。

大分市の大野川では上流からの大量の流木などが河川敷を埋め尽くしました。

 

中には、こんな巨大な木が流れてきたところも。

 

 

◆国交省 大分河川国道事務所大野川出張所 山本貴之さん

「正直びっくりしている、というのが本音のところです」

 

大野川流域を管理する、大分河川国道事務所大野川出張所の山本さんです。

 

◆TOS小笠原正典キャスター

「こんなに大きいのも流れてくるんですね」

 

◆国交省 大分河川国道事務所大野川出張所 山本貴之さん

「私も正直、こんな大きなものがあるんだというのはびっくりしてますし、対処には苦労している」

 

 

 

別の場所では…

 

大野川高速道路の下です。

撤去作業が進んでいる場所ですが、まだ5メートルを超えるような流木や竹、大量の葦が残されています。(取材当時)

 

撤去作業は進められていますが、とても追いつきません。

 

1か月以上たった今も、大野川ではあちらこちらでこのような光景が見られます。

 

 

“誰か”の手で守られている川の安全

 

ではこの流木、もし放っておいたら?

 

◆国交省 大分河川国道事務所大野川出張所 山本貴之さん

「まずはですね、川の中に門、樋門というんですけど、水門みたいなものがあると思うんですが、そこにこういったものがあるとですね、樋門が閉まらなくなったりすると、困りますので、 次の雨で、増水した時に困るようなところから、私たちは今撤去を始めているところですね」

 

住宅地と川の間の水の流れをコントロールする樋門。

川の水位が上がると門を閉じます。

もしも木が引っかかって門が閉められなかったら住宅地に大変な被害がでます。

 

また、流木が堤防を壊してしまう恐れもありますし、海に流れてしまえば漁業に被害が出てしまいます。

川が何事もなく、快適に流れるように。

災害が起きても最小限の被害で食い止められるように。

 

日常、私たちはあまり気に留めることはないかもしれませんが、誰かの手で安全が支えられていることを覚えておきたいものです。

 

ちなみに、これらの流木は薪やDIY、あるいは流木アートなどに使いたいという方に無償で提供しているそうです。

(詳しくは国土交通省 大分河川国道事務所のH Pを)

 

街の文化を守る“誰か”も

 

大分市の街中には60を超える彫刻があって、日々の暮らしのなかにアートが溶け込んでいています。実はここでも、私たちの気がつかないところで維持や管理の作業が行われているのです。

 

大分市の昭和通り交差点。

大分でも開催されたラグビーワールドカップのレガシーのひとつとして制作されたこの像は、ディフェンスラインを突破する選手が勇猛なライオンへと姿を変えています。

 

壁を超える時の勇気や研ぎ澄まされた感覚を表現しています。

 

◆県 芸術文化スポーツ振興課 片山貴樹さん

「設置から1年半が立ちまして、その(レガシーを)引き継いでいくために必要なメンテナンスをしているということになります」

 

 

排気ガスや埃などの汚れを落とし、コーティング剤で真鍮の輝きを保護しています。

 

大分市にある彫刻は場所によって多少の違いがあるものの、何らかの形で定期的なメンテナンスをしていて、「街の文化」を守っているのです。

 

◆県 芸術文化スポーツ振興課 片山貴樹さん

「このモニュメントを見て、ラグビーワールドカップ2019の感動と興奮を思い出していただけたらなと思っています」

最新のニュース