【会見詳報】埼玉西武3位指名・狩生聖真投手 会見で語った決意と感謝 大分 佐伯鶴城高
30日にロアッソ熊本との一戦に挑む大分トリニータ。
リーグ後半戦は好調だったものの、最後に2連敗を喫し5位で終えました。
運命のプレーオフを前に、26日は報道陣に練習が公開され、選手たちはリラックスした雰囲気で練習をしていました。
片野坂前監督も取材に訪れていて、選手たちとコミュニケーションを交わしていました。
J1昇格に向けて、野村選手、井上選手、下平監督が意気込みを語りました。
また、片野坂前監督もインタビューに応じ、熊本戦の展開やキーマンについて話してくれました。
横浜FC戦で決勝点 野村選手「チームのためにプレー」
まずは、横浜FC戦で強烈な決勝ゴールを決め、チームをプレーオフに導いた野村直輝選手。
チームの10番を背負う野村選手は、全身で相手とぶつかって戦うと話し、意気込みは十分です。
ーー熊本戦ではどういうプレーで活躍したいか。
トーナメント、一発勝負で、僕らも勝たないと次の駒には進めないので、うまいことやるというよりかは、全身で相手にとにかくぶつかって戦うというところを表現したい。その先に勝ちがあると信じて、今年1年間やってきたことをみんなで表現するだけ。
ーーサポーターに見てほしいところは。
自分の役割としては攻撃が主になってくるとは思うが、得点に絡むプレーだけじゃなく献身的に走って戦うところを僕も含めてみんなで表現したいと思う。目標はJ1に復帰することだけです。
ーーリーグ戦を連敗で終えてプレーオフへ気持ちの切り替えはどのようにしているか。
監督も、プレーオフはまたリーグとは違う別の大会みたいなものとミーティングでの話があって、プレーオフを経験したことがある人も多くいるので、そこは分かっていると思うし、過去を振り返りすぎずリーグの後半から良くなってきたものをもう一度表現できるように。
プラスあとは戦うとかチームのためにプレーするところを表現すること、そこに尽きると思う。
攻撃の要 井上選手「右サイドで絶対負けない」
続いては今季急成長を遂げ、チームの攻撃の要となっている井上健太選手。
攻守で右サイドを躍動する姿が期待されます。
――ここ2試合の振り返りとプレーオフに向けてどのように切り替えていくか?
ここ2試合は得点を取れずに僕のサイドからもうまく崩すシーンもなかなか出せなかったが、一緒に組んだ右サイドの選手たちとコミュニケーションを取って課題をしっかりと把握している。コミュニケーションを取れているし大丈夫かなと思っている。リーグ戦とプレーオフは別物なので、しっかりそれに向けて切り替えているところ。
――その「別物」のプレーオフ、どんなイメージか。
自分は経験したことがないが、本当に勢いも大事だと思うし、いかに自分達のスタイルを貫き通せるかというのは大事だと思うので、そこにフォーカスしてやっていきたいと思う。
――朝のミーティングで話したことや練習中に出てきたことは。
対熊本で、お互いのスタイルがあるし、相手のスタイルの良さを消しながら、自分達のスタイルを出すということは細かくミーティングでも出ていたので、そこをしっかり実行できるように練習からやっていきたいと思う。
――その中で井上選手の良さをどのようにだしていきたいか。
相手とマンツーマンになることもあると思うが、そこの一対一で自分が右サイドを優位に進めることができれば自ずとチームのチャンスも増えると思う。右サイドで絶対相手に負けないように、攻撃も守備もやっていきたいと思っている。
――ここ2試合得点が取れていない中で、得点を取らなければいけない。得点のイメージは。
自分が突破して深くえぐってクロスというのは、チームでも求められているところでもある。そこがなかなか2試合できなかったので、自分もしっかりフィードバックして2試合の課題をしっかり出せた。そこをうまく熊本戦では出せるように、自分が突破してクロス上げて点を決めてもらえるようにやっていきたいと思う。
――最後に熊本戦、その先への意気込みを。
勝たなきゃいけない状況ですし、這い上がるしかない。逆に勝たなきゃいけないというところで自分達のスタイルにもあっていると思う。自分達のスタイルを出してしっかりと上がれるように頑張っていきたいと思っている。
インタビュー終了後、片野坂前監督に「大きくなったね。期待しているよ」と声をかけられた井上選手は、「ありがとうございます」と、嬉しそうな表情を浮かべていました。
下平監督「人生かけて戦っていこう」
続いては下平隆宏監督。
「人生かけて戦っていこう」との言葉通り、表情にもこのプレーオフに懸ける思いが表れていました。
――今シーズンを振り返って。
本来であれば自動昇格を狙ってスタートしたが、前半なかなかいい結果が出せなくて、そこから苦しいシーズンでしたけども、まずはシーズン終わってプレーオフ圏内を確保したということで、まだJ1に戻れる可能性は十分に残っている。そういった意味では苦しいシーズンだったが、選手たちはよく頑張ってくれたなと思っている。
――直近2試合のまとめと、そこからPOに向けてどのようにチームを修正していきたいか。
ここ2試合、実際2連敗してしまったので反省するところは非常に多いですが、もちろんこの敗戦をしっかり糧にしてプレーオフに繋げなければいけない。反省すべきところ、改善すべきところはしっかりしながらプレーオフに向かいたいと思っている。
――ミーティングで選手たちにかけた言葉は。
今日(26日)は練習前にミーティングをしたが、前監督の片野坂さんに来ていただいて熱い激励の言葉をもらって非常に選手たちも締まったと思う。僕からはプレーオフに向けて、まず目の前の一つに勝たなきゃ次に進めないのでとにかく熊本戦に向けて集中していこうというのは話した。
――ロアッソ熊本はどんなイメージか。
大木監督が3年間率いてきて非常に積み上げていいサッカーをしている。プレーオフだから何かを変えてくるというよりはブレずにしてくると思うので、逆に言えばその部分ではスカウティングしやすい部分はあると思っている。しっかり熊本対策をして臨みたいと思う。
――キーマンになる選手は。
今のところ、まだメンバーを決めていないし、状況や選手のコンディションを見て決めたいなと思っている。
どちらにしてもキーになるのはディフェンス陣かなと思っている。
――具体的にどのようなところでディフェンス陣がキーになるか。
熊本は攻撃的なチームなので、最後のところは守らないといけない。前からハイプレスもかけてくるチームなので、それに対して自分達が攻撃の組み立てを作る上では、やはりディフェンスのところのビルドアップの能力が必要になってくる。そういった意味では攻守においてディフェンス陣が重要かなと思っている。
――熊本戦、これからのプレーオフに向けての意気込みは。
これは選手にも話しているが、サッカー選手としてプレーオフに向かっていく中で、J1に上がるのか来年もJ2なのかというのは、本当にサッカー人生が掛かっているので、サッカー選手にとって「サッカー人生=人生」ですから、この人生かけて戦っていこうという話は常にしている。
片野坂前監督も下平監督にインタビュー
また、片野坂前監督も下平監督にインタビューをしました。
――片野坂前監督
片野坂です(笑い)。プレーオフ、レギュレーションがあって、トリニータが5位、そういう状況の中で、ポイントなる大事な部分は。
本来であればリーグ戦どちらか勝っていれば4位で、ホームででき、引き分けOKというレギュレーションだったが、これを勝ち取れなかったことで、逆に言えば我々はやるしかない、ということで、積極的にトライしていくしかない。
今年のスローガンが挑戦。その言葉がまさに今プレーオフにきて、難しい状況になったけど、挑戦していく、というスローガンが生きてくるのかなと思っている。チャレンジャーとして、追う立場として挑戦して打ち破りたいと思っている。
――片野坂前監督
勝つしかない中で得点を取れないと勝てない。最終的に連敗して、点を上げることができなかった。点を取るためには勝ち上がるためにはシステム、戦術、オプションなどを考えながらやると思うが、点取るには何が大事か。
リーグ戦ここ2試合点を取れてないが、チャンスは作れていた。ちょっとしたところでずれていたので、あとは点を取るためにはもう気持ちの部分で体ごとねじ込んでいくというのが重要になる。戦いに関しては、熊本のスタイルからしても、こちらも引く気はないし、熊本も引き分けオッケーだからと引いてくるチームではない。こちらも攻撃的に行きたいし、本当に刺すか刺されるかのスリリングなゲームで、あとはどっちに転ぶかわからないゲームをメンタルでなんとか手繰り寄せるという風に「刺し違える覚悟」でいこうと思っている。
――片野坂前監督
ありがとうございます。期待しています。
片野坂前監督の注目ポイントとキーマンは
最後は取材に訪れていた片野坂前監督。
1年ぶりのグラウンドに「なんか変な感じ。」と話していました。
熊本戦の展開と、キーマンについても語ってくれました。
――ここ最近のトリニータ、どのように見ていたか。
シーズン序盤は厳しい試合、苦しい試合をしていたが、後半戦になって非常にいいゲームをできるようになってポイントを稼いで42試合終わってプレーオフ圏内に進出して5位っていうことでフィニッシュ。非常に尻上がりに、下平監督が積み上げてきたものが成果となってこういう結果になったシーズンだと思う。
本当に何があるかわからないシーズンであるし、諦めずに目標に向かって、ファンやサポーターの応援があったからこそ、この順位を勝ち取ったと思う。
――変わらず大分愛があって嬉しいです。
もうはい、僕は大好きなチームですし、すごくいい経験をさせてもらったクラブなので。ずっと応援しているし、1年でJ1に復帰してほしいという思いもある。
――久しぶりに選手の様子を見て、話してどう感じたか
非常に雰囲気もよかったし、選手の表情も明るくて元気そうでよかったなと。連敗してリーグ戦終えたが、プレーオフに向けて切り替えていて、やってやろうという気持ちも伝わった。期待できるなと思う。
――話して変わらないなと思う選手や、成長したなと思う選手など、印象に残った選手は。
うーん、みんな、変わらないですけどね。
たくましくなっている感じはする。
――熊本対大分ということだが、試合の中で鍵を握りそうなポイント、戦術はどういうところか。
お互い攻撃的なチームですし、ボールを持ちたいチームなので、それをどちらが主導権もってできるかというところと、おそらくトリニータもロアッソも攻守切り替え早くアグレッシブなゲームになるだろうなというところで、ほんとに一つのミスが失点になると思う。セットプレーもポイントになるのかなと。
非常に緊張感のあるところでワクワクドキドキするし、面白いゲームになると思う。
――ずばり、どんなゲームでどんなスコアになるか。
うーん、どうですかね。
展開によっては撃ち合いになる可能性もあるし、拮抗したゼロゼロの展開にもなると思うし、90分の試合のマネジメントでどのようにしていくかによる。トリニータとしては勝つしかないので少しリスクを負って得点を目指す状況も、特に後半、あるのではないかと思う。
そうなった時にロアッソがどのように守備と攻撃のところでしていくか。本当に90分のドラマがあるゲームになると思うので、展開を読めないところはある。
――蓋を開けてみないとわからないということか。
そうですね。一発勝負で、お互いの勝ち上がるためのポイントがある。トリニータはとにかく得点を取れないと勝てないので、いつリスクを負ってチャレンジしていくのか、勝負かけていくのかというのがポイントになると思う。
――熊本戦、その先のプレーオフ、どんな戦いをしてほしいか?
もう今シーズン、下平監督がやられてきたサッカーを信じて、積極的にアグレッシブにやることが大事ですし、これまでトリニータは諦めず最後まで戦う姿勢を全面に出してやってきたチームなので、それをプレーオフと入れ替え戦と3試合できるといいなと思いますし、J1復帰目指してがんばってほしいと思う。
――次の熊本戦、片野坂監督からみてキーマン、注目している選手は?
キーマンは、やはり下田北斗。
キャプテンとしてボランチとして、攻守両面で重要になると思う。北斗の経験の中で、ゲームの流れというものを出ている選手に伝えていく役目もありますし。得点のところでもセットプレー含めて彼の良さが出れば、勝つゲームができるのではないかと思う。
運命の一戦に挑む
選手たちは、ここ2試合の敗戦の悪いムードを吹き飛ばすかのように、非常に良い雰囲気で練習に臨んでいました。
真剣ながらも時折笑顔もみられ、プレーオフに向けて一体感がより高まっていることを感じさせる公開練習でした。
J1昇格へ。
注目のプレーオフ1回戦はいよいよ30日の日曜日。
午後1時5分、キックオフです。