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Jリーグ参入を目指す、大分のサッカークラブ・ヴェルスパ大分のサポーターとなった1人の少年。
それまで、サッカーにはあまり縁がなかったということですが、サポーターになったのは選手との「ある出来事」がきっかけでした。
10月16日の日曜日。
ヴェルスパ大分の試合の応援に駆け付けたのは、大分市内の中学校に通う後藤信繁(のぶしげ)くん14歳です。
小さいころから陸上競技に励んでいるという信繁くん。
ヴェルスパ大分のサポーターになったのは、去年5月の出来事がきっかけでした。
去年5月、自転車で下校中に下り坂で転倒してしまった信繁くん。
◆後藤信繁くん
「上から自転車で下ってきたがこのあたりでこけてしまった。自分でも何が起こったか分からないくらい怖かったしびっくりした」
その様子を偶然目撃したのが、車で通りがかったヴェルスパ大分の藤本拓臣(たくみ)選手でした。
◆藤本拓臣選手
「まずは声をかけないとという気持ちになった。こけ方が膝から落ちた感じだったので相当痛いだろうなと思った」
膝から出血していたため、藤本選手が持っていたタオルで止血し病院に連れて行ったそうです。しかし傷口が深く、救急病院への受診を勧められ藤本選手はまだ到着していなかった信繁くんの両親に連絡しました。
◆父・後藤頼信さん 母・清美さん
「『信繁くんが痛がっているから僕が夜間救急当番まで連れていきます』と連絡をくれて、お言葉に甘えてお願いした。とてもありがたかった」
これを機に家族はヴェルスパ大分のサポーターに。
信繁くんの部屋には藤本選手のサイン入りのユニホームも飾られています。
◆後藤信繁くん
「チームを応援してJ3に上がってもらいたいし、僕も(藤本選手のように)困っている人がいたら助けたい」
応援に訪れたこの日、藤本選手はけがで惜しくも出場できませんでしたが家族でチームに声援をおくりました。
現在、JFLのヴェルスパ大分。
1つ上のJ3に上がるためには、4位以内になり、ホーム戦の平均観客数が2000人以上となることなどが条件となっています。
信繁くんは、今度は自分が藤本選手やチームを支えたいと、去年7月ごろからほとんどのホーム戦の応援に駆け付けています。
この日、チームは惜しくも敗れてしまいましたが今後もチームを応援していくと話しています。
◆後藤信繁くん
「1つでも多くの試合で勝ってほしい。藤本選手がゴールを決める所を間近で見たい」
偶然の出来事で生まれた中学生と選手の絆。
共に、Jリーグ参入という大きな目標の達成を目指します。
高校までサッカー経験のある私は、藤本選手に取材をする中で、中学生の時に対戦経験があることが分かりました。
それだけではなく、当時の互いのポジションは、私が右サイドバック、藤本選手が左サイドハーフと、試合中何度も対峙していたのです。試合は12年前のことですが、藤本選手は足がとても速く、ドリブルにキレがあったため、何度も守備に苦しめられた覚えがあります。
こうした事もあり、個人的にも取材を通じて、不思議なご縁を感じさせていただきました。
事故の裏話として、藤本選手は車で近くの温泉に向かっていたそうです。そのため偶然にもタオルを持ち合わせていて、止血のために使うことができたと話していました。
「おんせん県おおいた」が故の救出秘話だなぁと、地域性も感じました。
私が普段温泉に行く時は、タオルを行った先で購入していたので、今後は藤本選手のようにタオルを持参したいと思います(笑)
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