早くも「年末年始商戦」食卓を彩るクリスマスケーキやおせち トレンドや物価高騰の影響は 大分
大分県大分市王子西町にある県立図書館。
今年は、誕生から120年の節目の年にあたります。現在の蔵書は123万冊。年間の来館者は30万人。巨大な知の空間です。大分県立図書館の普段なかなか見ることができないところに特別にTOSのカメラが入らせてもらいました。
この本は買うべきか‥ 知識とバランス感覚が求められる「司書」
始まったのは「本の選定会議」。1週間には400冊入ってくる本。
これを16人の司書が手分けをして、購入するかどうかを決めます。この会議では、1人で決められなかった「迷った」本を購入するか、返品するか協議します。
◆県立図書館 主幹司書 阿部詠子さん
「県立図書館では年間に約1万6000冊の本を購入してるんですけれども、その購入する本をこの会議の中で司書が選定しています」
◆本の選定会議での司書
「貧困理論入門。私の気持ち的には買ってもいいかなと傾いています。出版社が堀之内出版。46冊ぐらいしかの小さな出版社。貧困そのものの状況を書いている本は多い。貧困そのものとは何か?という形の定義に迫る本は少ないかな。小さな出版社の本ではありますが、いいものは拾っていけたらと思いますので、よろしいでしょうか?」
内容の正しさはもちろんですが、その内容がピンポイントすぎていないか、など、本が主張する全てを理解して判断をします。幅広い知識とバランス感覚が司書には求められます。
◆県立図書館 司書 段上朋華さん
「自分の専門ではない、自分がよく知らない分野についても、読んで、見て、選んでいかないといけないんですけども、自分の知識が足りないなってなると選ぶのが格段に難しくなってしまう。私にとっては、週の中で一番大事な場だと思っています」
貴重な地域資料を保存
次にやってきたのは「閉架書庫」。一般利用者は入れないエリアです。
◆県立図書館 主幹司書 阿部詠子さん
「主に20年以上経過した古い本だとか古い雑誌、そういったものを保管してます。郷土の雑誌などですと、永年保存ということで、基本的には捨てないで保管しています」
大分県の出版物は貴重な地域資料。これを残していくことは県立図書館の大切な役割なのです。
◆TOS小笠原正典キャスター
「私、『豊州雑筆』知らないです。」
◆県立図書館 主幹司書 阿部詠子さん
「昭和30年代に発行の雑誌ですね。大分県の地方出版のもの。政治家の方だとか文化人、経済界の方とかが色々と原稿を寄せられているようですね」
一般の利用者はここに入ることはできませんが、職員の方に依頼すると持ってきてくれて閲覧することができます。
普段はなかなか見ることができない図書館の裏側。県立図書館に限らず近くの図書館を利用して、素敵なブックライフを送ってみては。