完成当時は世界一!高さ167m「関の大煙突」なぜ作られた 産業振興と煙害対策

2022年08月06日 10:00更新

ランドマークという言葉をご存知でしょうか?

その土地を象徴する建物や空間のことで、地域に溶け込み、そこに住む人たち親しまれている存在です。

 

人々の暮らしと共にあるランドマークー

 

しかし、劣化が進んだり、役目を終えたといった理由で、取り壊されるなどして現存しないものも数多くあります。

 

今回はかつて大分県内に存在した「ランドマーク」について調べてきました。

 

まずは大分市にある「佐賀関製錬所」。

 

ここにはかつて、完成当時世界一の高さを誇る 167m の大煙突がありました。

 

 

佐賀関に大煙突が建設されたのは1916年。

 

当時、佐賀関では新しい産業として銅の製錬所が建設されることになります。

 

しかし、銅を精錬する際に発生するガスは、通常の煙突から排出すると付近の農作物に被害を出してしまうという課題がありました。

 

ーー佐賀関製錬所 上野裕和さん

「明治から大正にかけて銅の製錬事業の宿命的な課題だった煙害問題に対応するために、高い煙突から煙を出すために建設しました」

 

 

そのため、製錬所の建設と同時に完成当時世界一の高さを誇る大煙突を建設。

 

高さ167メートル、重量5156トンの大煙突は”関の大煙突”という名前で親しまれ、地域の産業振興と同時に人々の生活を煙害から守る「共存共栄のシンボル」となります。

 

時は流れ、1972年には大煙突に隣接する場所に「第二煙突」が建設されます。

 

煙害から地域を守り、ランドマークとしても100 年近い間、その役割を全うし続けてきた第一大煙突。

 

老朽化のため 、惜しまれつつも 2013 年に解体されました。

 

現在は地域との共存共栄のシンボルとして、第一煙突の一部が残されています。

 

”関の大煙突”として一世紀近くの間、多くの人に親しまれた「関の大煙突」。

 

 

今ではその役目を新しい大煙突に託していました。

 

(サタデーパレット取材班 【中津競馬場】に続く)

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