物流の「2024年問題」荷主への運賃交渉に取り組む運送業者は…宅配便や食品の値上げラッシュも

2024年04月04日 17:00更新

今週から新年度がスタートしました。
気になる値上げの話題や、私たちの暮らしにも関係する物流を取り巻く制度の変更など、4月から変わったことについて取材しました。

帝国データバンクによりますと、4月の値上げは2800品目を超え、去年10月以来、半年ぶりの値上げラッシュに。
値上げされた品目の数が最も多いのは、ハムや冷凍食品などの加工食品で、値上げ率は13%となっています。
原材料価格の高騰が主な要因となっているということです。

値上げの波は食品以外にも…
一部の宅配便の運賃について佐川急便は約7%、ヤマト運輸は約2%値上げします

背景には、いわゆる「2024年問題」への対応があります。

この4月から、トラックドライバーの時間外労働は、労働環境の改善などを目的に、年間960時間までに制限されます。
労働時間の短縮で収入が減り、人手不足が加速するなどの影響から、物流が滞る可能性が指摘されている、それが「2024年問題」です。

県内の運送会社でも、対策を進めてきました。
大分市のさくら運輸は大型トラックなどを約70台保有し、68人のドライバーを抱えていて建築資材などを全国に運んでいます。

労働時間の短縮についてドライバーは…。

――ドライバーは
「労働時間が短くなって、収入が減るとか、そういう面が懸念されるのはある」

こちらでは、労働時間の短縮で請け負う仕事の量が減っても、ドライバーの収入を確保しようと荷主に対して運賃の値上げ交渉に取り組んできました。

その結果、約100社ある取引先のうち8割ほどで値上げが実現したそうです。

――さくら運輸 後藤信雄社長
「昨年から大半のお客さんに(値上げ交渉の)お願いをして、みなさん2024年問題については理解を頂いてやむを得ないな、仕方ないなということで」


 

また、関西や関東などへの長距離輸送には、フェリーを利用する頻度をこれまでよりも2割程度増やしました。
ドライバーがフェリーに乗っている間は、休息時間となるため、限られた労働時間で長い距離を移動できるためです。

しかし…

――さくら運輸 後藤信雄社長
「フェリーも燃料が上がっているからフェリー運賃も上がっている。高速料金も下がらないし、コスト的にはかなり響いている。それに加え燃料がかなり上がっているので」

こちらの会社では今後も荷主に対する値上げ交渉に取り組み、物流が滞ることが無いようにしたいとしています。

 

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