父の働く姿が勉強の原動力に 第二種電気工事士に合格した小学6年生「少しでも役に立てたらなと」大分
津久見市の、ひとりの女性をご紹介します。
何万人という赤ちゃんをお世話してきたという現役の助産師さんなんです。
95歳の現役助産師
津久見市新町にある小さな助産施設。
ここで助産師として働く江藤信子さんです。
お年はというと…。
ーー江藤信子さん
「95歳です」
御年95歳になった今も、70年以上の知識と経験を生かして現役で頑張っています。
江藤さんは助産師の養成所を卒業後、1950年に「江藤助産所」を開業し多くの出産に立ち会ってきました。
病院での出産が主流になったことなどから1990年に分娩業務はやめましたが、その後も赤ちゃんとお母さんの産後ケアは続けています。
ーー江藤信子さん
「私は子どもが大好きなんですよ。お母さんが早く安心して子育てができるように家族ぐるみの指導をしている」
家族ぐるみのケアを行う
この日、江藤さんのもとを訪れたのは豊後大野市に住む山下浩二さんと百華さん夫婦。そして生後5か月の息子・然くんです。
山下さん夫婦が江藤さんのもとに通い始めたのは、然くんが生後2か月のとき。
2人は東京と岡山の出身で、夫の浩二さんが大分で働いた際に住みやすいと感じたことがきっかけで2年ほど前に移住してきました。まだ県内に知り合いは少なく、慣れない子育てに不安を抱えていました。
ーー山下浩二さん・百華さん
「初めての子なので特に育児に対して全部が不安。昔からの知恵を毎回ご教授いただいている感じがするので、自分自身も毎回ブラッシュアップされている感じがする」
ーー江藤信子さん
「(子どもが)生まれてすぐのお母さんたちは相当心も体も傷ついているから、それを癒やしてあげたいと思って」
お母さんのおっぱいのケアも助産師の大事な仕事。
江藤さんが73年続けているおっぱいマッサージは、お母さんたちの間で「江藤流」と呼ばれ評判なんだそうです。
ーー山下百華さん
「(詰まっても)先生にやってもらったらピャーって開通。岩がマシュマロになる」
「いつの時代も子は宝」
「いつの時代も子は宝」と笑顔を見せる江藤さん。
これまでお世話をした赤ちゃんは何万人にも上り、2世代にわたってサポートした親子もいるそうです。そんな人たちから届く成長の報告が、江藤さんの原動力になっています。
ーー江藤信子さん
「私のような者でも頼りになる、(お母さんたちが)来るたびに嬉しいというような感じで帰るから、口がきけなくて手足が立たなくなったらやめるわ。自然消滅する」
新しい命と向き合い続けて73年。
赤ちゃんと母親のために、江藤さんはこれからも現役で助産師を続けます。
「円ブリオ基金」の取り組みも
また江藤さんは、経済的な理由で妊娠に悩む母親を支援する「円ブリオ基金」という活動に約20年前から取り組んでいます。
「エンブリオ」とは、体重が1円玉と同じ1グラムとされる8週までの胎児のことで、江藤さんは1円からお腹の赤ちゃんと母親をサポートする輪が広がってほしいと呼びかけています。