高橋尚子氏「大分は共生社会の見本」スポーツオブハート応援団長

2021年11月06日 07:00更新
10月、大分と東京の2つの会場を結びスポーツ・オブ・ハートが開催された。
 
スポーツ・オブ・ハートは障害の有無や国籍、人種、性別の枠を超えて全ての人が心豊かにスポーツや文化を楽しむプロジェクトとして実施され、大分での開催は5回目となる。
 
現在、感染状況は落ち着いているものの、今なお多くのイベントや大会などが感染対策と安全なイベント実施の両立という課題に直面している。これからの大会やイベント運営はどうあるべきか。元トップアスリートであり、東京オリ・パラで組織委員会の理事を務めた高橋尚子さんに大分市でお話を伺った。
 

大分は共生社会の見本

 
 
ーースポーツ・オブ・ハートは大分でも恒例のプロジェクトとなりました。大分の印象はいかがでしょうか?
 

「大分駅前の素晴らしい場所を開放していただいて皆さんと一緒に過ごす時間を設けていただけることにまず感謝。東京と大分をつないで、一緒になって取り組みを盛り上げる。そういった部分で(大分は)近い存在だと感じています。大分は私の中では特別です。太陽の家にも行かせてもらったことがあるんですけど、このスポーツ・オブ・ハートやパラリンピックをサポートするプロジェクトに参加していると、大分は共生社会が日本の中で一番進んでいる。こういう日本にしていきたいという見本になる場所だと思います。(障害の有無に関わらず)皆がいきいきと働いていたり、そういう姿がもっと多くで見られたらいいなと毎回、勉強しています」

 

 

感染対策とイベント

 

ーー新型コロナの感染状況が落ち着いている中で、大会を実施することができました

 

「コロナ禍で色々な対策が実施され、経験の中から準備できたからこそ始動できたのかなと感じています。特に大分に来て思ったのは、大分駅前に抗原検査が受けられる場所がある。これは本当に他では見たことがない素晴らしい取り組みだと思います。皆がそれぞれ自覚を持って検査する。そして大分に他県から来た人も最初に検査を受けることによって、多く広げさせないということも含めて素晴らしい取り組みだと感じます」

 

ーー今やイベントの実施と感染対策は切り離せないものになっています

 

「もちろん簡単にできるのではなくて。その裏ではしっかりとした対策や準備を講じていたり。抗原検査を設けてといった努力があるからこそできるので。単にイベントができたということだけが伝わるのではなく、そういった準備や取り組みも同時に伝えていくことによって多くの人が真似をしてつなげていくような力になるのではと思います」

 

 

色々なやり方を知る

 

「色々な方法を知る。情報を積み重ねることがとても大切だと思うんです。やはり困難な状況を迎えている人たちにも、こういうやり方で成功に導いたというような経験談があると、そこに自分たちの道も開けていくような可能性を見いだせると思います。コロナがある限りストップなのではなくて、どういうやり方であれば解決の道筋ができるのかというのを色んな所で。少人数やオリンピックのやり方といった成功したもの。そこから出た課題というのをしっかりとまとめることによってより良いものができあがってくると思うので、こういった発信に耳を傾けていただいて自分たちのノウハウに取り込んでもらえたらと思います」

 

ーー積み重ねてより良い社会を目指すことが大事なんですね
 

「コロナの感染状況が改善していっても、今やっている基本的な対策は生活の中で続けていくのが大切だと感じています。そして、コロナだからこそ、逆にリモートだったり在宅だったり色んなやり方というのが増えた部分もあります。より暮らしやすい。その人にあった生活や仕事の仕方というのもこれから変わる。より良い暮らしやすい日本になっていくことを期待して、プラスに考えて前に進んでいけたらなと思っています」

 

 
<高橋尚子さん>
 
シドニー五輪マラソン金メダリスト、東京オリ・パラでは組織委員会理事を務める。スポーツ・オブ・ハート応援団長
 
 
 
 
 
TOSオンライン 編集部

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