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約14人に1人。
これは国が全国の1800人余りの女性を対象に行った調査で性被害にあったことがあると答えた人の割合。
こうした被害から特に子供を守るために取り組むべきことは。
かつて、被害にあい現在、講演活動などを行っている県内在住の女性などに話を聞いた。
親子で性について話す
――工藤千恵さん
「私、汚れてしまったって感じた」
県内在住の工藤千恵さん。
8歳の時、塾から帰宅する途中、知らない男に声をかけられ性暴力の被害にあった。
――工藤さん
「(当時は)誰かに相談することは全くできずに、自分で何とかするというか仕方ないという感じだった」
自分のように苦しむ人が少しでもいなくなるように。
工藤さんは講演会に立ち性犯罪の根絶や被害者の心のケアを充実させる大切さなどを訴えてきた。
子供を性犯罪から守るために工藤さんが大切だと話すのは小さなころから親子で一緒に「性」について話すこと。
知ることによって何がダメなことなのかを認識することで被害を避けられる場合もあるという。
ただ、性の話はタブーと捉えられがちなため大人でもきちんと説明できる人は少ないという。
――工藤さん
「『どうやって赤ちゃん産まれるの?』っていう質問には『えっ、ちょっと待ってそんな事今、お母さんに聞かないで』みたいなそういう風に誤魔化したりとか、親がタブー視していると子供もその価値観をそのままやっぱり感じてしまうので、そうすると困った時に相談してもらえなかったりする」
性入り口に絵本を
工藤さんは親子で一緒に性について学ぶ入り口として絵本を使うことを薦めている。
こちらは現役の警察庁の官僚で慶応大学教授の小笠原和美さんが監修した「おしえて!くもくん」。
――絵本の一文
『プライベートゾーンっていうのは、みずぎをきるとかくれるぶぶんのことだよ。
じぶんだけのだいじなばしょ。
かんたんにひとにみせたり、さわらせたりしてはいけないんだ』
空から子供たちを見守る「くもくん」が公園でふざけてパンツを下ろす子供たちを発見。
水着を着たら隠れる部分、「プライベートゾーン」は人に触らせてはいけないこと。
触られそうになったら「イヤ」と声をあげ大人に相談することなどを優しく教えている。
――小笠原さん
「幼いうちからそこ(プライベートゾーン)は守るべきところだからそこを侵害された時には相手が誰であろうと嫌と言っていいんだよ。相談してね。逃げていいんだよというのは本当に幼いうちから伝えておくべきだと思う」
“日頃のコミュニケーション”を大切に
注意していたとしても被害が避けられない場合も起こり得る。
親子で日頃からコミュニケーションを深め何でも相談できる環境を作っておくことが心の傷を必要以上に深めない大切な備えだという。
――小笠原さん
「被害にあったとしても悪いのはあなたじゃない、悪いのは私じゃない。というマインド設定が予めあることで、悪いのは私じゃなかった、僕じゃなかったっていう風に気付けるということが心の傷を深めないための対策だと解釈している」
――工藤さん
「(子どもが親に)話してもいいんだという経験をさせてあげる。そこがいざという時に寄り添えるそういうチャンスになるのかなと思う」
親子で性について学び日頃からコミュニケーションを深める。
子供たちを性被害から守る大切な取り組みだ。
【2021年4月取材】