天瀬町のホテル1年3か月ぶり営業再開 災害乗り越え新たな一歩 

2021年11月01日 10:00更新
【2021年10月放送】
 
去年の7月豪雨で被災した日田市天瀬町のホテルが9月、約1年3か月ぶりに営業を再開した。
コロナ禍も相まって厳しい状況にあるが、関係者は前を向き復興に向けて歩み始めている。
 

2020年7月豪雨で被災

 

日田市の天ヶ瀬温泉。
玖珠川にかかる温泉街のシンボル、赤いつり橋を渡った先にあるのが「成天閣」。
 
 
創業約80年の老舗ホテルだが去年、大きな困難に直面した。
それが7月豪雨。
 
――成天閣 古賀信寿社長
「椅子やいろんなものが置いていたが全部泥と一緒に固まっててどこから手をつけていいかなという状況でした」 
 
 
当時の状況をこう振り返るのは成天閣の古賀信寿社長。
 
 
去年の豪雨で甚大な被害が出た天ヶ瀬温泉。
川沿いのホテルと旅館7軒が被災し赤いつり橋も流された。
成天閣の館内にも濁流が流れ込み片づけのために休業を余儀なくされた。
 

1年3か月ぶりの営業再開

 

豪雨から約1年3か月。
ようやく復旧工事を終え、先月25日に営業を再開した。
 
ロビーはモダンでおしゃれな造りに。
 
 
露天風呂もリニューアルした。
 
 
被災したホテルの中で最も早い再開だ。
 
取材に訪れたこの日、ロビーには県外から来たという宿泊客の姿があった。
 
 
――福岡からの客
「応援も含めて(来た)いろいろニュースで見たから水害の状況を」
 
 
「頑張って欲しい。この天瀬の復興も。全体が賑わってくれればいい」
 
館内に響く笑い声。
接客を担当するスタッフも客との交流に喜びを感じていた。
 
――旅館のスタッフは
「(休業中は)全然客と接してない。会話も無くってさみしかった」
「喜んでもらえたらやっぱり嬉しい」
 

「復興の第一歩」

 

しかし、順調な滑り出しとはいかない。 
客室は35室あるが、平日の予約は数組のみで、週末でも10組ほど。
新型コロナの影響もあり客足がなかなか伸びないという。
 
 
従業員も長期間休業した影響などで以前の半分に減り、限られた人数で営業を続けている。
 
――成天閣 古賀信寿社長
「いま必死です。1日1日を過ごすのが。復興の進み具合としては本当まだ第一歩ぐらいしかきてない状況なので早くみんなでこの天瀬温泉を盛り上げていきたい」
 
災害という大きな困難を乗り越え新たな一歩を踏み出した老舗ホテル。
 
厳しい道のりは続きますがかつての賑わいを取り戻そうという新たな挑戦が始まっている。
 
【2021年10月取材】
 
 
油布 良平記者

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