「寂しい、悲しい」建物は焼け崩れ…“思い出の町並み”一変 170棟以上延焼大分市大規模火災
約170棟の建物が焼け、甚大な被害が出ている大分市佐賀関の大規模な火災。発生から3日目となる中、未だ鎮火に至っていません。
漁師町を襲った大規模火災。
実はこの佐賀関では30年前にも大規模な山火事が起きていました。
今から30年前の1995年1月16日。佐賀関で林野火災が発生し、火は瞬く間に燃え広がりました。
上空から消火剤が撒かれるなど懸命な消火活動が行われ発生から3日目でようやく鎮火しました。
大分地方気象台の資料によりますと、佐賀関の山林20ヘクタールが焼け、消火作業中の消防団員1人が負傷しています。
この地域に長く住む住民たちは2度の大火に遭遇していることになります。今回の火災で自宅を失った山田さんもその1人です。

◆山田二三夫さん
「残ったのは携帯とこの服とスリッパだけ」
山田さんは30年前の大火では、当時、消防団員として消火活動にあたったといいます。
◆山田二三夫さん
「佐賀関特有の北風が吹いた。その時も風の影響で酷かった。(当時は)山火事だったので民家の方に火が移らなければいいと」
そして再び地域を襲った火災。
◆山田二三夫さん
「またか。今度は民家かという感じ。山火事よりも民家の方が大変」
佐賀関地域は小さな木造建築の住宅が密集しています。道路の幅も狭いため、消火活動に支障をきたす状況にあるとして大分市の資料でも大規模火災の危険性が指摘されていました。

今回の火災では住民からは、地域の過疎化がさらに進むのではと心配する声も聞かれました。
◆避難者の男性
「これによってよそに家を建てたり、転居したりする人が出ると思う。そうするとますます過疎化に拍車がかかる。それを何とか止めたいと思う」
佐賀関地域は大分市内でも地区別で高齢化率が最も高く、10月末時点でおよそ58%に上っています。今回の火災、高齢化が進む地域への影響も心配されます。
