金利上昇「自分が支払えるか不安」悩む住宅ローン…自治体の財政に影響も 大分

2025年04月23日 10:50更新

「金利」について、日本銀行は2025年1月に、政策金利を0.25%から0.5%へと引き上げました。私たちの暮らしへの影響はというと、銀行にお金を預ける際の金利が上昇しました。

 

 

例えば、大分県の豊和銀行と大分銀行はいずれも普通預金の金利を0.1%から0.2%に引き上げました。一方、住宅ローンでは金利が上がると、返済額が増えてしまいます。金利上昇の中、私たちはどう備えたらいいのか、取材しました。

 

 

 

◆住宅セミナーの担当者

 

「何も考えずに(住宅ローンを)借りる人と、しっかりと勉強して借りる人では、かんたんに数百万の差がついてしまいます」

 

 

大分市で開かれた住宅ローンに関するセミナーです。ファイナンシャルプランナーがローンを選ぶ際のポイントなどを説明していました。

 

 

◆参加者

 

「今、金利が上がっているところもあって、自分が支払えるかなという不安はあります」

 

 

金利が上昇する中、それぞれにあったローンの組み方をしてもらおうと、「おうちの買い方相談室」ではこうしたセミナーを開くなどして、各家庭の悩みを聞いています。

 

 

一番の悩みともいえるのが、返済額が変わらない「固定金利」にするか、目先の支払いは安いものの、金利上昇で返済額が増える可能性がある「変動金利」にするか。選ぶ上でのポイントを聞きました。

 

 

 

 

 

◆おうちの買い方相談室 パークプレイス大分店 久保徹弥店長

 

「変動金利は、金利が上昇した時に月々の支払いが増えても、家計にあまり影響がない人であったり、金利のニュースとかに敏感で、その都度対応ができる人がすごく向いている」

 

「固定金利は、変動金利に比べて目先の支払金額は高くなるが、少しでも住宅ローンが上昇すると家計に影響を及ぼしてしまうという人、こういった経済状況の中で、不安で夜も眠れないみたいな人は固定金利が向いている」

 

 

相談に訪れる客の8割から9割が変動金利を選ぶそうですが、「多くの人が選ぶから」と流されるのではなく、よく考えて選択することが重要だといいます。

 

 

実は金利の上昇は、自治体の財政にも影響を及ぼしています。

 

宇佐市では基金の運用の一部を国債や地方債などの債券で行っていますが、購入時よりも価格が下がる「含み損」が生じているといいます。

 

 

債券価格と金利の関係はシーソーに例えられます。

 

金利が上昇すると、新たに発行される債権の方が利回りがよくなるため、市場の中では既存の債券の価格は低下してしまうのです。

 

 

 

 

 

宇佐市では2023年度末時点で、約115億7700万円の基金のうち、78億3400万円を債権で運用していますが、2025年1月末の時点で、約10億円の含み損があるということです。満期まで債権を保有し続ければマイナスにはならないため、宇佐市の担当者は「今のところ債権を手放す予定はなく、損失が生じることはない」と話しています。

 

 

一方で、もし急に資金が必要となり、満期前に債権を売却せざると得なくなると、「損」が確定してしまいます。そのため、基金の運用に携わる国東市の職員は、リスク分散が大事だと指摘します。

 

 

◆国東市役所 財務管理専門委員 益戸健吉さん

 

「債権と預金の割合を定めるとか、基金の中で5割は預金を保有するとか。どういうやり方にするかルールで決めて統制を図るということ」

 

 

「金利のある世界」にどう対応するか、家庭も自治体もそれがいま、求められているといえそうです。

 

 

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