パラオの現地調査に密着 「図面がない」トラブルも …太陽光充電システム設置へ中津市の企業が奮闘 大分

2025年03月14日 13:20更新

太平洋の島国・パラオで事業展開を目指す大分県中津市の企業が2月下旬に現地へ渡航し、調査を行いました。

 

パラオでの事業展開を目指している中津市のTーPLAN。

 

 

手掛けているのはソーラーパネルと蓄電池により、電気自動車を太陽の光のみで充電する設備その名も「青空コンセント」です。姫島村ではレンタカー事業に活用され、「姫島モデル」と呼ばれています。

 

 

環境にやさしいこの設備を再生可能エネルギーの利用拡大を目指す太平洋の島国・パラオに「輸出」しようとしています。

 

 

 

 

 

2025年から本格的にプロジェクトがスタート。現地調査のため、担当者たちは2月下旬、パラオに渡航しました。リーダーを務めるのが吉岡稔さんです。

 

 

◆TーPLAN 吉岡稔さん

 

「今まで準備してきたものをパラオの人に理解してもらえるように現地で交渉できるようにしたい。不安しかない」

 

 

パラオまでの距離はおよそ3000キロ。日本からの直行便はなく、飛行機を乗り継ぎ、現地まではほぼ丸一日かけて移動しました。

 

 

到着後、休む間もなく向かったのは国際協力機構JICAの事務所です。JICAはTーPLANの取り組みを支援していて、現地の政府機関との交渉など様々なサポートをしています。

 

 

◆JICAパラオ事務所 青木恒憲所長

 

「化石燃料は(パラオに)持ってくるのにコストもかかるし、非常に環境にも良くないので違った電力が求められている。日本のモノづくりの会社が途上国の問題解決に果たす役割はとても大きいので非常に期待している」

 

 

 

そして始まった現地調査。

 

 

◆TOS児玉直輝記者

 

「青空コンセントの設置候補となっているこちらの場所では現在必要なスペースなどの測量が行われている」

 

 

TーPLANはパラオ国内の3カ所に「青空コンセント」を設置しようとしています。

 

 

候補地の状況の確認は今回の調査の大きな目的の1つ。

 

 

しかし…

 

 

◆設計などを担当するTーPLAN 吉広雅文さん

 

「図面がないと言われたらどうしようもない。送電設備が埋設されているならどこを通っているのか、かわせるのか。もうここ通ってたらアウト(吉岡さんの困惑する様子)」

 

 

候補地だった国立病院そばのこの場所では地中に電気ケーブルが埋められている可能性が浮上。ただ、図面がなく、確かめるのが困難なため、急きょ、別の場所への設置を検討することになりました。

 

 

 

◆TーPLAN 吉岡稔さん

 

「図面がないともうほんと、宝探しかというくらい。いろんな人に聞いてたどり着くしかないみたいで。追加で2か所ほど(別の)パターンを決められた。(病院の)局長が対応してくれたので、直接話をして『候補が1、2、3あるがどこがいいか』という話ができたのは良かった」

 

 

海外ならではの難しさに直面したものの、吉岡さんたちは柔軟に対応します。

 

 

「青空コンセント」の設置は2025年7月ごろまでに完了することを目指しています。

 

 

設置できれば、姫島と同じように小型の電気自動車を太陽の光で充電することが可能に。

 

 

こうしたクリーンな交通の普及に大統領をはじめとするパラオ政府は高い関心を示しています。

 

 

今回の渡航で吉岡さんたちは大臣とも面会し、事業についてプレゼンしました。この様子は次回お伝えします。

 

 

最新のニュース