「雪ん子寿し」愛されて25年 誕生背景には考案した女性の地域愛 秘伝のレシピを初公開し次世代へ 大分

2025年01月29日 19:35更新

「雪ん子寿し」が誕生して25周年

 

大分県佐伯市の名物、「雪ん子寿し」が誕生して今月で25周年になります。

 

 

長年にわたって愛されてきた料理に込められた考案者の地域への愛情を取材しました。

 

 

まだ太陽ものぼりきらない早朝、番匠川のほとりに立つ工房に明かりが灯っていました。

 

 

作業をしていたのは愛の里工房の代表を務める高橋文子さんです。

 

 

こちらの高橋さんが佐伯名物「雪ん子寿し」の考案者です。

 

酢飯の上に味付けした乾しシイタケと酢漬けにした大根をのせた料理

 

「雪ん子寿し」は酢飯の上に味付けした乾しシイタケと酢漬けにした大根をのせた料理でシイタケの甘みと大根のまろやかな酸味が特長です。

 

 

そんな雪ん子寿しは高橋さんの地域に対する思いから生まれました。

 

 

◆愛の里工房 高橋文子さん

 

「やはり(佐伯市)本匠として山紫水明というように地域の気候や風土、水もきれいそういう条件の中で何か一つお土産ができないかなって」

 

 

県内でもさまざまな特産品が生まれる中、愛する本匠でも地域の特性を生かした特産品を作ろうと試行錯誤が始まります。

 

 

 

『口の中で(シイタケが)踊る』 決め手は亡き夫のひらめき

 

そして試作を始めて5年。

 

 

地域の名産であるシイタケをのせた寿司を作っていた時、今は亡き夫の倉幸さんがふと自宅にあった大根の酢漬けをその上にのせたそうです。

 

 

◆愛の里工房 高橋文子さん

 

「(倉幸さんが)『口の中で(シイタケが)踊る』と『シイタケが動きまわる』大根をのせたことによって『はーこれじゃわえ!』って。主人が微笑ましい顔で言ったときに私もこれがいいんかなと思った」

 

 

こうして2000年に完成した雪ん子寿しは翌年開催されたきのこ料理コンクールの全国大会で見事、最優秀賞を受賞。

 

 

そこから注目を集めるようになり県内各地で販売され、1日に約1000パック販売したこともあったそうです。

 

 

 

 

秘伝のレシピも公開 「雪ん子寿し」は次世代へ

 

2025年で完成から25周年を迎え、高橋さんはこの料理を若い世代に語り継いでいこうとしています。

 

 

先週、市内で開かれた雪ん子寿し作りの体験会にはおよそ40人が参加。

 

 

これまで非公開だった秘伝のレシピを初めて参加者に伝えました。

 

 

◆参加者

 

「見よう見まねで作ったことはある。ただ全然違ったので教わって良かった」

 

 

◆参加者

 

「まったく目からうろこで、(シイタケの)煮汁を焚かないとか『えー!』って思うことがたくさんあった」

 

 

◆愛の里工房 高橋文子さん

 

「皆さんがこうして学んだことをあの時習ったなと思い出してまた作ってくれることを願っている」

 

 

客からの喜びの声が何よりの活力だという高橋さん。

 

 

 

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