新型コロナ国内初感染から5年 後遺症に悩む人、リモートワーク定着、飲食店…生活はどう変化した?

2025年01月15日 19:10更新

新型コロナの感染が国内で初めて確認されてから15日で5年です。

 

 

感染症法上の位置付けが5類に引き下げられ日常生活が戻ってきましたが飲食店や医療機関などはどのような状況なのか取材しました。

 

 

 

5年前の1月15日国内で初めて新型コロナの感染が確認されました。

 

 

中国の武漢市から帰国した神奈川県の男性から陽性反応が。そして、そのおよそ2か月後…

 

 

◆広瀬大分県知事(当時)

 

「いつ発生してもおかしくないというくらいの警戒感を持って準備をしてきた。びっくりしたというより、とうとう来たのかという感じ」

 

 

大分市都町の飲食店の従業員が新型コロナに感染。

 

 

県内では初めての感染確認で未知のウイルスに行政機関も対応に追われました。

 

 

◆TOS藤村晃輝記者

 

「時刻は午後9時を過ぎた。セントポルタ中央町の飲食店。片付けを終えているところもあるし、こちらはシャッターも閉まっている。見る限りでは多くのところが午後9時までの営業となっているようです」

 

 

全国で感染が拡大し県内にも出された緊急事態宣言。

 

 

その後、飲食店には午後9時までの時短要請が出され街の様子は一変しました。

 

 

◆客

 

「多少我慢は必要なのかなとそういう風に考えて飲んでいます」

 

 

◆飲食店

 

「これ以上厳しい状態が少しでもなくなるように本当に出来ることをやっていくだけって感じ」

 

 

 

 

感染拡大に伴い医療現場はひっ迫。県内の死亡者は786人に(5類以降前まで)。

 

 

対策として進められたワクチン接種。

 

 

そうしたコロナ禍を経て迎えた2023年5月。

 

 

◆TOS柴田真里記者

 

「新型コロナの位置づけが5類に引き下げられた初日。道行く人を見るとマスクを着けている人もいるが、マスクを外している人も一定数いるように感じる」

 

 

新型コロナは季節性インフルエンザと同じ「5類」に位置付けられ私たちの生活はかつての日常に。

 

 

初めての感染確認から5年。コロナ禍で大きな打撃を受けたのが飲食店です。

 

 

◆TOS児玉直輝記者

 

「これがパーティションですね、もう使ってないんですか」

 

 

◆味のより道うしじま牛島繁美さん

 

「そうですね、倉庫の奥の方にしまってて」

 

 

飛沫防止のために設置していたパーティション。入り口付近に設置した体温計や、手や指を消毒する機械もいまは使うことは無いそうです。

 

 

大分市中心部にあるこちらの居酒屋ではコロナ禍の始めごろは時短営業や休業した影響で売り上げは通常の半分以下に。

 

 

その間は昼に弁当を販売するなどして営業を続けていました。

 

 

通常通りの営業となったのは2022年。徐々に客が戻り始めて今ではコロナ禍前よりも売り上げが増え、開業して以来一番のにぎわいを見せているそうです。

 

 

◆味のより道うしじま牛島繁美さん

 

「ホッとしているのとうれしいのと、コロナを乗り越えて良かったなというのが今1番強い。これからももっともっとお客様に来てもらって活気溢れるうしじまでいきたい。(新型コロナのようなことは)もう起きて欲しくない、もういいです!」

 

 

 

 

 

一方、企業では新型コロナをきっかけにリモートワークが定着したところも。

 

 

◆TOS児玉直輝記者

 

 

「こちらの会社では各支店と常にリモートで繋がっているということで…(画面越しに呼びかけ)このようにスムーズにコミュニケーションを取ることができる」

 

 

大分市などで住宅の建設やリフォームを手掛けているこちらの会社では2017年からリモートワークに取り組んできました。

 

 

コロナ禍は社員の8割以上が実施していて現在は新しい働き方が定着。

 

 

子育て世代も積極的に活用してるほか、県外に移住しても会社を辞めずに働き続けられるなど柔軟な働き方が出来ているといいます。

 

 

仕事の効率も上がり社員全体の平均残業時間はコロナ禍前と比べて6割ほど減ったということです。

 

 

◆SAKAI 三浦麗さん

 

「移動時間は大変もったいないのでそういったものをリモートで解消するという意味ではかなり効果が出ている。今後もこういったリモートもそうだが、たくさんのITツールを活用して業務の拡大をしていきたい」

 

 

新型コロナから命を守る。その一心で患者と向き合い続けたのが医療機関です。

 

 

 

 

 

大分市のこちらの病院も5年前の当時は緊張感に包まれていたと振り返ります。

 

 

◆大分三愛メディカルセンター広報 秦圭治さん

 

「(5年前の)2月くらいからは発熱患者に、(新型コロナの患者)がまぎれてないかっていう、我々としても戦々恐々とした雰囲気が始まっていた」

 

 

患者を診察する時も防護服に身を包むなど、これまでとは異なる対応を余儀なくされました。

 

 

初めての感染確認から5年が経ちましたが、病院にはいまでも後遺症に苦しむ人が通っているそうです。

 

 

実は、秦さん自身も、2023年新型コロナに感染し、いまでも後遺症に悩み通院を続けている1人です。

 

 

◆大分三愛メディカルセンター広報 秦圭治さん

 

「感染した当初は、発熱と倦怠感で1週間もしないうちにおおむねの症状は治ったがそれ以降、眠れないというような、いわゆる不眠症のような状況はかなり続いている」

 

 

秦さんはこの5年間の経験を生かすことが大事だと考えています。

 

 

◆大分三愛メディカルセンター広報秦圭治さん

 

「今回の5年間の経験をもとにして、また新しいウイルス、病気が出てきた時に、いかにこの5 年間の大混乱を繰り返さないようにするかを、みんなで考えていけばいいと思う」

 

 

新型コロナについて最新の感染状況を見てみると、1月12日までの1週間に県内58の医療機関から344人の感染報告がありました。

 

 

県によりますと新型コロナは高齢者が重症化しやすい感染症です。

 

 

対策の1つがワクチン接種です。定期接種は65歳以上の人などが対象で今シーズンは3月31日まで打つことが出来ます。しっかり対策をすることがインフルエンザ同様、大切です。

 

 

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