“年収103万の壁”引き上げ「やらなければ」別府・長野市長 前向きな姿勢 税収減は「成長痛」

2024年11月26日 21:00更新

国民民主党が訴えるいわゆる「年収103万円の壁」の見直しについて、大分県別府市の長野恭紘市長は26日、「社会全体としてやっていかなければならない」と前向きな姿勢を示しました。

 

税収18億減「成長痛」 前向きな姿勢

 

別府市によりますと、所得税の課税対象となる「年収の壁」を現在の103万円から178万円へ引き上げた場合、試算では住民税で約17億8000万円の減収となるということです。

 

 

26日の定例会見で「103万円の壁」について記者から問われた長野市長は、減収による影響を「経済を大きくするための成長痛」と表現し、「手元にお金を残すことが一番大事」として見直しに前向きな姿勢を示しました。その上で、国に対しては、引き上げによる成長戦略まで議論して示すべきという見解を述べました。

  

「お金を残すことが一番大事」

 

以下会見全文

 

(記者:今議論になっている「103万円の壁」について市長の意見は)

 

 

――別府市 長野恭紘市長

 

今出生率も上がらない、結婚もしたいけどできないという状況の理由の一つが、給料が上がっていかない、自分の手元に残るお金が少ないから。

 

 

賃金を上げていくということは社会全体としてやっていかなければならないし、103万円の壁を撤廃をして引き上げることで、とにかく自分たちに(お金を)残すことが一番大事なことだと、ずっと思っている。

 

 

 

「困る」だけでなく成長に

 

――別府市 長野恭紘市長

 

どちらかと言えばわたしは積極財政派の人間。(引き上げをすれば)税収は国県市全体で減っていくとは思う。だけど、それをただ単に減収という言葉だけで終わらせるから問題であって、前向きに捉えると、どれだけ社会にお金が還元されて税収として遜色なく、また元の通りになっていくのか、期限を設けて、こうしたことを期待すると国民の皆さんに訴える。ちゃんとお金が残るということは使えるお金が増える、そういうことを社会全体で作っていかないといけない。

 

 

(税収が)減るから困る、住民サービスが、というのではなくて、困りますけど社会全体、経済全体を大きくしていくためにはお金残して使っていくという社会を作っていかないと、いつまでたっても経済が縮小するだけ。どこかで(経済を)大きくしていくためにはいわゆる「成長痛」みたいなもので、一時的にはしょうがないんじゃないかと僕は思っている。現実的には困るが、困るということだけではなくて、それをすることによって成長戦略にいかにつなげるかということが大事なこと。

 

 

国会はもう少し大事なことを議論して、困る困るばかり言って困るのは当たり前で、その成長戦略の姿まで見出さないから国民、自治体に不安が広がるのであって、ちゃんと成長戦略示せよと僕は思う。本当にやるべきことをやってくれよと思う。

 

 

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