八田與一容疑者「重要指名手配」指定継続 警察庁「全国警察を挙げて捜査すべき事件と判断」遺族の思いは

2024年09月13日 05:00更新

2022年、大分県別府市で大学生2人が死傷したひき逃げ事件について、八田與一容疑者(28)が全国の警察を挙げて捜査する重要指名手配に指定されて1年が経ちました。ただ、これまでに逮捕に至っていないことから、警察庁は重要指名手配を継続し、捜査特別報奨金についても期限の1年間の延長を決めました。

この事件は2022年6月、別府市の交差点でバイクに乗っていた男子大学生2人が軽乗用車に追突され、死傷したものです。警察庁は2023年9月、現場から逃走した八田與一容疑者(28)を道路交通法違反ひき逃げの疑いで全国の警察を挙げて捜査する重要指名手配に指定しました。道路交通法違反での指定は全国で初めてでした。

 

 

しかし、それから1年が経った現在も逮捕に至っていないことから、警察庁は9月6日付で八田容疑者を重要指名手配に継続指定しました。

 

 

また、2024年10月末までとなっていた捜査特別報奨金の期限も1年間延長することを決めました。

 

 

 

 

 

これにより、引き続き、有力な情報提供に対しては上限で300万円の報奨金が支払われ、遺族などによる私的懸賞金(上限500万円)とあわせると最大800万円が支払われます。

 

 

警察庁はこのひき逃げ事件について「凶悪かつ悪質」とした上で、これまでに容疑者の検挙に至っていないことから、「引き続き国民から広く情報を求め、全国警察を挙げて捜査すべき事件と判断した」としています。

 

 

なお、大分県警によりますと、2024年8月末までにあわせて6937件の情報が寄せられていて、そのうちの8割近くに上る5458件は重要指名手配と捜査特別報奨金に指定後の2023年9月15日以降に寄せられたものだということです。

 

 

目撃情報の内訳は、大分県内が461件、県外が5404件、インターネットなどが620件です。このうち、大分県外の目撃情報の内訳は関東が2489件、近畿が812件、九州が870件となっています。

 

 

大分県警は事件発生から2年となる2024年6月、現在の風貌を想像して描いた八田容疑者の似顔絵を公開したほか、8月にはユーチューブで新たな動画の公開も始め、広く情報提供を呼びかけています。

 

 

情報提供の連絡先は別府警察署で、電話番号は0977-21-2131です。

 

 

 

 

 

<大分県警のコメント>

 

この事件は大分県警察の最重要課題の1つです。引き続き、全国民の皆様に情報提供を呼びかけ、警察の総力を挙げて被害者の身柄確保と事件の真相解明に努めていきます。一刻も早く、被疑者を検挙するために被疑者に関する情報を提供していただくよう、全国の皆様のご協力をよろしくお願いします。

 

 

<亡くなった大学生の母親のコメント>

 

八田與一が警察庁指定の重要指名手配となり1年が経ちました。重要指名手配犯になれば、全国の交番や駅などにポスターがはられ、すぐに捕まるはず。そう期待しながら、毎日八田逮捕の知らせを待っていました。しかし、その願いも虚しく、また1つの区切りを終えてしまったことが残念でなりません。見たくもないのに目に飛び込んでくる多くのひき逃げ事件。被害者を苦しめる理不尽な判決。いつも流れてくる呆れたニュースを見ながら、八田が捕まった後のことを想像します。

 

 

前に進みたくても進めない、進んだとしてもいばらの道。それでも進まないと終わらない長く険しい道のり。どうか1日でも早い逮捕をお願いします。

 

 

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