「議員はほとんど兼業…」民間企業で賃上げ進む中“議員のなり手”確保へ 議員報酬アップの動き【大分】

2024年03月11日 17:00更新

「議員のなり手不足」についてお伝えします。
去年4月に行われた県議会議員選挙では佐伯市や津久見市、由布市など7選挙区が無投票に。
立候補した全員が当選しました。
民間企業では賃上げの動きが広がっていますが、地方議会でも議員のなり手を確保しようと報酬を上げる動きがあります。
取材しました。

2月の豊後高田市議会。
この日提案されたのは議員報酬を増額する条例の改正案です。

――豊後高田市 佐々木敏夫市長
「将来を担う多様な分野の若者や女性、勤労者なども議会へ参画しやすい環境を整えてまいりたいと考えております」

豊後高田市議会の議員報酬は、議長が月額40万円、副議長が36万円、そのほかの議員は34万円と定められています。
改正案では、議長を月額45万円とするなど、それぞれ5万円増額するとしています。
改正案は、3月21日に採決が行われる予定です。



 

――豊後高田市議会 安東正洋議長
「一般市民から見れば、報酬は高いんじゃないかと思われると思うが、いま16名の議員がいますけど、ほとんど兼業です」

こうした動きについて豊後高田市民は…

――豊後高田市民
「今、みんな(企業は賃金を)上げてるから、それは別にいいんじゃないか」
「(増額を)見合わせた方がいいような気もする」
「議員報酬だけで生活している人もいるでしょうけど別の面(別の仕事)もあると思うから」

市議会の安東議長は市民からの厳しい目は覚悟しつつも、地方議員の厳しい現状を訴えます。

――豊後高田市議会 安東正洋議長
「何人かの議員は専業でやっていけるだけの報酬が、足りないんじゃないかという風に思う。若い人、女性に積極的にこの議会に出てもらって先々の市政を担ってもらいたい」


 

議員報酬を上げる動きは他の議会でも…

――佐伯市議会 山野内真人議員
「本市議会議員の定数を25人から22人に改める」

去年、佐伯市議会は、議員定数を3減らす条例の改正案を可決。来年の市議選から適用されます。
議員の数を減らしてその分報酬を増やしたい考えです。

――佐伯市議会議会改革調査特別委員会 冨松万平委員長
「今の議員の待遇を考えたら25年、報酬据え置きなのでこれをなんとか少しでも改善してなり手不足の解消を促す」

ことし1月、佐伯市議会が設置した特別委員会は、1996年から変わっていない議員報酬を上げるよう市長に答申。
答申を受け、議員報酬を月額1万9000円以上引き上げる改正案が、市議会に来週提案され採決が行われる予定になっています。

議員報酬の引き上げには厳しい声も上がっています。
一方で、議員のなり手不足は深刻な問題です。
いかにして、議員のなり手を増やすのか議会だけでなく社会全体で考えるべき問題と言えそうです。

 

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