毎年恒例 高崎山で「サルの個体数調査」始まる 前の年はC群が山から下りてこない異例の事態に…大分
鮮やかな大漁旗を掲げた漁船。
杵築市で漁師をしている29歳の男性が造ったもので、2月、初出港の日を迎えました。
男性の思いや地域の様子を取材しました。
杵築市の造船所で、去年5月から造られている一隻の船…。
底引き網漁の漁師で、市内に住む栄木進二さん29歳が注文したものです。
――栄木進二さん
「着々とできていてうれしい」
高校卒業後に地元を離れた栄木さんですが、22歳のころ、父の背中を追って地元で漁師として働き始めました。
国の調査によると県内の漁業者は2018年の時点で30年前と比べて3分の1以下まで減っていて、30代以下の若い世代になると6分の1ほどまで減少しています。
杵築市でも近年、漁師の担い手不足は深刻な課題で、地元の漁協によると、20代の漁師はわずか2人。
栄木さんは同世代の仲間が少ない中でも仕事に励み25歳のころに独立します。
決して甘くはない漁師の道ですが、そんな息子に父親の房夫さんは期待を寄せています。
――進二さんの父 栄木房夫さん
「せっかくここに宝の海があるんやけんな。これからいろんな試行錯誤もできると思う」
初めて自分の船を造ることにした栄木さん。
注文した造船会社では市内の漁師からの新しい船の注文は10年ぶりくらいと話します。
――ナカシマ船舶 中嶋信利さん
「注文があればいいけど中々…(漁師の)後継者がおらんというのが一番のネックだろう。年齢的に私自身は最後(の製作)になるのかなと思ってしている」
船に掲げる大漁旗やのぼり旗は国東市の染物店に手掛けてもらいました。
昔ながらの手染めで豊漁と安全を願って丁寧に作っていきます。
――まさごや染物店・沼田貴世代表
「地元の大漁旗はなかなか少ないので久しぶりに船の旗を染めることができています」
そして、ついに船が完成!
父親の船「栄進丸」から名前を受け継ぎ「第八栄進丸」と名付けました。
2月3日、初出港の日です。港には近所の人も集まり新たな船出を一緒に祝ってくれました。
地域の人たちの温かいエールに栄木さんは頑張ろうという気持ちを新たにしたようです。
――栄木進二さん
「めちゃくちゃいい船を、最高。これで仕事頑張れます。今までの自分をこれまで以上に超えていけるように頑張りたいと思います」
さまざまな期待を背負い、大海原へ。
古里の伝統を守るためにも栄木さんはきょうも自慢の漁船で漁に出ます。