にぎわい戻り人手不足深刻な観光地…温泉地・由布院の旅館では“スキマバイト”活用の動きも
「介護美容」というサービスをご存じでしょうか。
高齢者や介護を必要とする人に美容サービスを提供し、触れ合いを通じて元気になってもらおうという取り組みです。
日本介護美容セラピスト協会によりますと、以前、日本免疫学会で発表された調査では介護美容を受けた人の約４割が「食欲」や「睡眠」が改善されたと答えたということです。
県内で行われている介護美容の現場を取材しました。
――高齢女性
「わーいいなぁ！うれしい」
ピンクの口紅にキラキラしたネイル、女性はおしゃれをしてうれしそう。
大分市の高齢者福祉施設です。
こちらでは２年前から月に２回、介護美容サービスを利用していて希望者にメイクやネイル、フットケアなどが行われています。
ストレス緩和や安心感に繋がっているそうです。
サービスを提供しているのが大分市の長尾夏音さんです。
もともとは作業療法士として働いていた長尾さん。
治療が長引くにつれ身なりに無頓着になったり、人に会うのを避ける高齢者を多く見てきたそうです。
――訪問介護美容サービス ラナン 長尾夏音代表
「ずっと死にたい死にたいって言ってた患者がいて、そこから少しリハビリでネイル、メイクとか導入するようになったらほんとに表情が変わって。美容の力ってすごく可能性があるなという風に感じた」
こちらの施設ではコロナ禍で利用者が部屋にこもりがちになっていたこともありサービスをお願いしたといいます。
――Greenガーデン富士見が丘 渡邉晶代施設長
「もう全然変わりました。やっぱりきれいになることで表情もいきいきするし、やっぱり前向きに外に出るっていう機会も皆どんどん参加してくれるっていう意欲が変わってきた」
――長尾夏音さん
「こんにちは。よろしくお願いします」
サービスは個人の自宅でも。
この日依頼したのは大分市に住む９３歳の女性。
おしゃれや化粧が大好きで外出をする前などに月に１回、メイクなどをお願いしているそうです。
帽子やマフラーなど服装のコーディネートの相談にも乗ってもらっていました。
――サービス利用者（９３）
「みんなからきれいやきれいやとか元気やとか声かけてもらって『あんたが目標や』と言われるがそれに感謝しながら自分でも体を鍛えて、また美容にできる限り応援してもらって頑張っていきたい」
――長尾夏音さん
「ただきれいになるだけじゃなくて一番に心に明るさが取り戻せたりとか、やっぱり心が動く瞬間をたくさん見て来てるので『心が動いて体も動く』っていうところが一番の介護美容の醍醐味じゃないか」
美容を通して、心も体も元気にいつまでも自分らしく。
介護美容の取り組みに今後も期待です。
