大雨の影響は高校球児にも…6年前に被災した小学生が仲間とともに初戦に挑む 日田林工高校

2023年07月14日 18:40更新

大雨は高校球児たちにも影響を及ぼしています。
熱戦が繰り広げられている夏の甲子園大分大会。
日田林工高校の野球部では被災した家の片付けなどで部員が全員揃わない状況が続いていました。
3日後の初戦に向けひたむきに練習に取り組む選手たちを取材しました。

◆日田林工 野球部 後藤秋汰選手
「川の音が岩が流れる時にごろごろするが、その音を聞いて思い出した」

こう話すのは日田林工高校野球部の3年生後藤秋汰選手です。

後藤選手は、日田市などで甚大な被害が出た6年前の九州北部豪雨で自宅が被災。
当時、後藤選手は小学6年生でした。

◆後藤秋汰選手(小学6年生の時)
「もう流された。野球のユニホームとか置いていた」


 

高校3年生になった後藤選手。
最後の夏の大会に向け練習に励む中、日田市を再び豪雨が襲いました。

◆日田林工 野球部 後藤秋汰選手
「自分と同じ状況になった人がいるので、あのとき自分は辛かったので同じ辛い気持ちだと思う。学校に来ることができずに、練習もできていない人がいたので、きょう一緒に練習して顔を見合わせたので久々だと思った」


 

今回、後藤選手の自宅は大丈夫だったということですが、
福岡から通っているチームメイトの中には
自宅や親族の家が被災したりした人もいました。

チームの全体練習は13日から再開したものの
この日も全員は集まれませんでした。

福岡から通う池田選手も自宅のすぐ前まで川の水が押し寄せたといいます。

◆福岡から通う 池田湧星選手
「自分の家が川の近くに家の前なので、結構ぎりぎりで溢れていたので怖かった」

池田選手が住む福岡県朝倉市も7月10日は辺り一面が濁流にのみ込まれました。

福岡から通えるようになった選手もJRが被災し運転見合わせが続いているため、保護者が車で送迎しているということです。

◆福岡から通う 金丸真白選手
「いま(電車が)止まっていて母に送ってもらっているが、他の人もまだ送れない人もいて来られていない人もいるので、いち早く戻って来てくれたらと思う」

選手たちは困難な状況の中でも夢の甲子園に向けて懸命に練習に取り組んでいます。

◆福岡から通う 金丸真白選手
「被災している人たちの思いも背負って闘って、被災した人たちに勇気や元気が与えられたらいいなと思う」


 

また、6年前に被災した後藤選手もチームメイトを鼓舞しながら一丸となって試合に臨むと意気込んでいます。

◆後藤秋汰選手
「声とかきびきびとした行動は誰にでもできる勇気を与えられるプレーなので、そのあたりも意識して頑張っていきたい」

日田林工の選手たちは、被災した古里への思いも胸に夢の甲子園に向けた初戦に臨みます。

日田林工の初戦は17日の第2試合で大分工業と対戦です。
両チームともに元気なプレーを見せてもらいたいと思います。

 

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