大雨の影響続く…3日夜初めごろにかけて土砂災害に警戒を 

2023年07月03日 18:40更新

3日の県内は雨が強まり一時、日田市や玖珠町など4つの市と町に避難指示が出されました。
気象台では3日夜初めごろにかけて土砂災害への警戒を呼びかけています。

梅雨前線が九州付近に停滞している影響で、3日の県内は雨が強まりました。
玖珠町と九重町の全域、日田市と中津市の一部の地域に避難指示が出されましたが、現在は全て解除されています。

降り始めからの雨量は日田市椿ヶ鼻で697.0ミリ、由布市湯布院で554.5ミリなどとなっていて、午後6時現在も大雨警報は県の西部をはじめ広い範囲に出されています。
気象台では3日夜はじめごろにかけて土砂災害に警戒するよう呼び掛けています。

◆TOS田辺智彦キャスター
「日田市の天ケ瀬温泉です。河川敷に止めてあった車が、あの様に濁流で押し流されてしまっています」

日田市天瀬町を流れる玖珠川も増水しました。
こちらでは3年前の豪雨で甚大な被害が出ていて、温泉街の人からは不安の声が聞かれました。

◆周辺の旅館の人は…
「(水かさが)増えてくると涙が出る。不安。被害が出ないこと一番。祈っている」

夏の風物詩 屋形船に被害

 

◆TOS田辺智彦キャスター
「三隈川の名物ともいえる屋形船ですが、ご覧の様に船体の半分近くが水の中に沈んでしまっています」

今回の大雨で、三隈川沿いに繋がれていた屋形船5隻が浸水などの被害にあいました。
屋形船は近くのホテルが管理していて2020年の7月豪雨以来、同様の被害はこれで3度目。

夏の繁忙期を迎えているだけにホテルの関係者は肩を落としていました。

◆亀山亭ホテル 諌山寿明社長
「外国人の観光客が戻ってきて屋形船に乗ることを楽しみにしているお客さんもいる。屋形船の修理のことを考えるとかなり痛手」

被害にあったホテルでは、今週末の屋形船の予約ついては他の宿泊施設のものを借りて営業する予定だということです。


 

由布市の土砂崩れ現場は…

 

由布市湯布院町川西では大規模な土砂崩れが発生して住宅が巻き込まれ、1日未明から住人の麻生繁喜さん70歳と連絡が取れなくなっています。

◆相馬尊重 由布市長(2日夜)
「山の頂上から土石流、土砂が崩壊して(周辺が)埋まっている状況。一刻も早く発見できるよう全力を尽くしていきたい」

しかし…

◆TOS児玉直輝記者
「この規制線の先が土砂崩れが起きた現場となっています。本来であれば、行方不明者の捜索活動が行われる予定でしたが中止となっています」

3日午前8時から捜索する予定でしたが、雨で二次災害のおそれがあるとして中止となりました。

◆麻生さんの知人
「真面目に一生懸命働いてる彼。だから余計に。誰に聞いてもそう言うと思うが1時間でも早く見つかってほしい」

4日の捜索は天候などに問題無ければ、午前8時から行うということです。


 

【気象予報士解説】今後の見通しについて

大分県内では先週木曜日の29日から雨が続いています。
これまでの総雨量は日田市椿ケ鼻で697ミリ、湯布院で554.5ミリなど北部、西部を中心に県内多くの所で平年の7月1か月分の雨量を上回っています。
すでに地盤がかなり緩んでいますので、土砂災害などに警戒を続けて下さい。

今週も梅雨前線は九州付近に停滞する予想です。
このあと4日にかけては梅雨前線が南に下がりますので雨は小康状態となりますが、5日水曜日は再び前線が北上し雨が強まりそうです。
また、7日の金曜日以降も前線が活発化し雨雲が発達しやすくなりそうです。
今週も最新情報にご注意ください。

【気象予報士解説】雨が強くないうちからでる「大雨警報」とは…

 

大雨警報は浸水や土砂災害などへの警戒を呼びかけるための情報ですので、いま降っている雨だけでなくそれまでに降って地面にしみ込んでいる雨も影響します。

3日午後6時現在、県内では雨は降っていませんが、これまでの雨で土砂災害の危険度が高いことから警報が継続しています。
また、一旦解除されても地盤がゆるい状態で雨が降り始めるとそれほど強くなくても大雨警報が発表されることになります。

土砂災害の危険性はまだ高い状況ですのでしばらくは崖などに近づかないようにしてください。

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