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2020年の7月豪雨からまもなく3年です。
日田市天瀬町の被災した旅館の中には5月、ようやく営業を再開したところもあります。
前を向く地元の思いを取材しました。
猛烈な雨が県内を襲った2020年の7月豪雨。
日田市天瀬町では玖珠川の氾濫で甚大な被害が出ました。
天ヶ瀬温泉で100年以上の歴史ある宿を営む大庭正徳さん。
豪雨から3年を迎えるのを前に5月、念願の営業再開を果たしました。
◆HONJIN 大庭正徳さん
「やっとオープンできたかなという気持ちでいっぱい」
被災当時、川沿いの建物は1階の事務所や厨房が土砂で埋まってしまいました。
失意の中、大庭さんは常連客や災害ボランティアに励まされ、再建を決意。
土台を水没した高さよりも1.2メートルほど上げ、ペット連れで楽しめることを売りにしたホテルとして新たなスタートを切りました。
◆HONJIN 大庭正徳さん
「まだ7年後や10年後に(天ヶ瀬温泉街が)完成すると思うので、そのときに来てもらった客が天ヶ瀬よかったねと思ってもらえるように頑張っていきたいと思います」
回復しつつあるインバウンドにも温泉街の魅力をアピールしたいと考えています。
一方、「ryokan 天龍」は6月の再オープンを目指しています。
江戸時代から続く老舗旅館で、豪雨前は3棟ありましたが被災して1棟しか使えなくなりました。
被害は温泉の泉源にも…
元々は80℃近くあったのが20℃台に低下してしまったそうです。
◆ryokan天龍 大庭龍一さん
「温泉が出なくなったというのは相当なショックで、これが無ければ営業できるかできないかというところなので」
社長の大庭龍一さんは旅館を閉めることを考えたそうですが、社会福祉士として働いていた息子が手伝ってくれることになり再スタートを決意しました。
温泉も別の泉源から引くことが決まりました。
◆ryokan天龍 大庭龍一さん
「2年半も何もやっていないので、ちょっと勘が戻ってこないというのもあるが早く再開したいという思いです」
◆息子 大庭聡一郎さん
「天ヶ瀬を盛り上げていきたいなと思い戻ってきた。今までの経験を生かして力になれるようにやっていけたらと思います」
豪雨被害やコロナ禍を乗り越えつつある天ヶ瀬温泉街。
新たな魅力ある地域へと着実に歩みを進めています。