早くも「年末年始商戦」食卓を彩るクリスマスケーキやおせち トレンドや物価高騰の影響は 大分
地方でも注目されるスタートアップ
革新的な事業で急成長を目指すスタートアップ企業。今、地方でも様々なスタートアップ起業が注目されている。
臼杵市には伝統と向き合いながらも一味違う分野に挑む老舗製菓店がある。新商品の開発に密着した。
臼杵煎餅でお馴染みの後藤製菓
創業100年を超える臼杵市の老舗、後藤製菓。主力商品は土産物としてもお馴染みの臼杵煎餅。
特徴はタップリと使った「ショウガ」。その風味と素朴な味わいで長年、愛されてきたが…。
ーー後藤製菓・後藤亮馬社長
「休業と再開を繰り返したり、本当にこれからどうしていったらいいんだとそういう暗闇の中にいた」
コロナ禍による土産物需要の減少で売り上げは一時、通常の3割ほどまで落ち込んた。厳しい状況の中、おととし、先代から事業を引き継いだ5代目の後藤亮馬さんだ。
後藤製菓の次の一手は「ジンジャーショット」産地復活も
事業を立て直すため、官民共同の支援プログラム「YUKEMURI NEXT」に応募しこれまでとは違う分野で新商品の開発に取り組んでいる。スタートアップの中でも第二創業と呼ばれる取り組みだ。どのような商品をつくり出すのだろうか?
ーー後藤亮馬社長
「ジンジャー(生姜)ショットという温活エナジードリンクになっている」
それが臼杵煎餅にも使っているショウガを使ったエナジ―ドリンク、「ジンジャーショット」。
原料となるショウガを安定して確保するため、初めて栽培にも取り組んでいる。
「よき出来だと思います」「初めてにしてはね」
こう話すのは栽培を主に担当する先代の重明さん。この冬およそ700キロを収穫した。
臼杵市は明治時代、ショウガの一大産地だったそうで今回の事業を通じて産地の復活も目指している。
ーー先代・後藤重明さん
「休耕田もあるし、地域のためにも役に立つのかなと。(栽培は)素人ですけど徐々に広げていけばいいかなと思っています」
秘策は地獄蒸し
体を温め免疫力を向上させるとされるショウガだが「蒸す」ことでその効果がさらに高まるという研究結果もある。
そこで訪れたのは別府市の天然坊主地獄。そう、温泉の蒸気を使った別府の地獄蒸し。
「香りがすごい」「いい匂いですね」
ミネラルが豊富な温泉の蒸気で24時間かけてショウガを蒸しあげた。その名も「地獄蒸し生姜」だ。
ーー後藤亮馬社長
「ほくほくした食感になっています。あ、でもやっぱり辛いですね」
ーー坊主地獄 甲斐正浩社長
「本当に大分県ならではのものができるではないかとすごい期待がありますね」
完成ジンジャーショット
その1か月後。
ーー後藤亮馬社長1028~33
「しっかりと喜んでいただける商品をつくるようにきょうは一日気合を入れて頑張りましょう」
1年以上をかけて練り上げたジンジャーショットのレシピ。この日は実際の商品を初めて作った。
材料はペースト状にした地獄蒸し生姜、そこにリンゴにミカンなど全て有機栽培のものを取り揃えた。
これらを混ぜ合わせじっくりと煮詰めていく。
そして、1つ1つ瓶に入れると素材からこだわったジンジャーショットの完成だ。
ーー後藤製菓の従業員は
「カラダの中から温まる感じがあります。飲んだ瞬間から」
「人にも自然にも暖かい」思いは
今月から後藤製菓の本店などで販売されていてことしはおよそ2万本を製造する予定だ。
――後藤亮馬社長
「オーガニック専門店や関西・関東圏のお客様に届いていけるように頑張りたい。新しいお客様との出会いがうまれると思うとすごくわくわくしています」
後藤製菓が伝統と向き合いながら作り上げたジンジャーショット。この度、この商品を含めた新たなブランドを立ち上げた。
その名前は生姜百景。
「人にも自然にも温かい」たくさんの幸せな風景をつむいでいきたいという後藤さんの思いが込められている。
今回、シリーズで紹介したスタートアップ企業について2月21日からはそれぞれの取り組みなどを紹介するイベントが別府市で開かれます。参加は無料で主催者は「起業に興味のある人や新たな事業のヒントが欲しいという人に参加してほしい」と話しています。
申し込みはこちらから