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「零売」とは
去年10月、大分県大分市に「零売薬局」という、大分県では初めてのスタイルの薬局が誕生しました。
「零売」という言葉、辞書を引くと「小売」と同じ意味のようなんですが、どんな薬屋さんなのでしょうか?
取材しました。
県内初の「零売薬局」
大分市田中町。
大きなスーパーのある通り沿いに、去年10月にオープンした「ぽかぽか薬局」。
大分県に初めてできた「零売薬局」です。
でも「零売薬局」ってどんな薬局なんでしょう…。
ーーぽかぽか薬局 代表 早田有希さん
「お医者さんが発行する処方箋がなくても、医療用医薬品を直接購入できる薬局のことです」
処方箋なしで「医療用医薬品」の購入が可能に
お医者さんの診断や処方に基づいて使用される医薬品を「医療用医薬品」と言いますが、それには2種類あって、私たちが手にするためには「医師が作成する処方箋が必要な薬」と、「処方箋がなくても買える薬」とがあります。
「医療用医薬品」は、およそ1万5000種類ほどあって、処方箋なしで買えるものと、必要なものはほぼ半々です。
「零売薬局」では、処方箋なしで「痛み止め」や「アレルギーの薬」などの医療用医薬品を買うことができます。
一般的に医療用医薬品はドラッグストアで買える市販薬よりも効き目が強いとされています。
“セルフメディケーション”推奨で広まった零売薬局
零売というスタイルは、2005年の薬事法の改正以降、条件付きで認められたもの。
医療費を抑制しようという国の政策方針で「軽い不調は自分で手当てする」セルフメディケーションが推奨されていることから、ここ最近、全国で「零売薬局」が増えつつあります。
零売薬局の特徴となるポイントは大きく2つ。
まずは費用。
公的保険が適用されないため薬代は全額自己負担となりますが、病院に行くとかかる初診料や診察料、調剤薬局での受付ごとにかかる料金がないため、病院に行き、処方箋で薬を購入する場合より人によっては安くなる場合があります。
また、混んでいる病院の長い待ち時間など受診にかかる一連の時間を減らせたり、コロナなど病院での感染リスクを減らせることはメリットと言えそうです。
「ゆっくり、じっくり対話したい」
代表の早田(そうだ)有希さんは、かつて「調剤薬局」に9年勤務。
独立して、この「薬局」を開きました。
薬を必要としている人ともっとコミュニケーションを取りたいと感じていたそうです。
Q:開業理由は?
ーーぽかぽか薬局 代表 早田有希さん
「薬剤師は一番身近な医療従事者だと思っていて、なので、ゆっくり、じっくりと相談を受けるというのが自分の中で理想だったんですけれど、調剤薬局で働いていて、それがちょっと自分の中では難しくて、ゆっくり話せる場所を自分でつくれたらなと思いました」
目指すのは「町の保健室」
ーーぽかぽか薬局 代表 早田有希さん
「病院に行こうか悩んでいる方だったり、体調悪いけど、結局どの科に行ったらいいのかとか、どういう薬使ったらいいのかとか、その病院に行く前に、一旦相談に来てもらえたらいいなと思っています」
目指しているのは「町の保健室」
処方箋がなくても“病院の薬”が買える零売薬局。
ドラッグストアとはまた違う「第三の選択肢」として今後注目されそうです。