オリーブの街へ‥15年前に参入「生産量を5年で5倍に」国東市の今

2022年10月27日 21:00更新

大分県国東市(くにさきし)。

大分県の北東部に位置する市で、人口は2万6000人ほど。

海と山に囲まれた自然豊かな国東市で、オリーブの栽培が盛んに行われていることをご存知ですか?

 

今年で15年目となる国東オリーブの「今」を取材しました。

 

成長を続ける「国東オリーブ」

 

雨が少なく、温暖な気候で育つオリーブ。

100年以上前に小豆島で栽培が始まり、近年は西日本を中心に産地が増えています。

 

 

国東市でオリーブ栽培が始まったのが2008年。

その2年前の合併で国東市が誕生したことや、小豆島と気候が似ていることなどがあり、国東市を代表する新たな作物を作ろう始まりました。

 

ここまでの14年で年々規模が大きくなり、去年はじめて収穫量が10トンを超えました。

 

オリーブ栽培に参入して10年目の河野さんの農園。

 

 

河野博己さんは現在、国東オリーブ部会の部会長。

7年前から息子の嘉徳さんも加わり、家族でオリーブ栽培に取り組んでいます。

 

◆河野博己さん

「昨年やっと10トンを収穫確保できたというところで、幸い昨年もJAで国際オリーブ(オイル)コンテストで金賞を受賞したということで、少しは勢いがついてきたかなという感じがしています」

 

年に一度、世界中のオリーブオイルが出品される国際コンテストで国東生まれのオリーブオイルは、去年と今年、2年連続で金賞を受賞しました。

 

去年は「JAおおいたくにさきオリーブ部会」のオリーブオイルが。

そして今年は河野農園が独自で出品したものが金賞に輝いています。

 

 

嘉徳さんはオリーブオイルソムリエの資格も取り、オリーブオイルの知識も高めています。

 

◆河野嘉徳さん

「オリーブオイルとはどういうものなのかという自分の基礎を身につけられたので、それで自分でブレンドしてやるってことができたので、金賞が取れたのかなと思います」

 

 

 

日本最大級のオリーブ農園も誕生予定

 

一方で、オリーブ栽培に参入する「企業」も国東市にはあります。

2016年から栽培に取り組んでいる「キュウセツAQUA国東クリーブガーデン」。

 

福岡が本社の、上下水道の維持管理を行っている会社です。

現在17haの敷地に3000本以上のオリーブを栽培していますが、反対側の斜面にも広げようと工事中で、完成すれば日本最大級のオリーブ農園となるそうです。

 

◆キュウセツAQUA国東クリーブガーデン 光武さん

「2025年には今の造成工事も終了して、直売所やレストランがオープンして、観光農園を開く予定であります」

 

 

「5年後に生産量を5倍に」

 

今年9月の台風で、収獲直前だった国東のオリーブは15年目にしてはじめて大きな被害を受けました。

しかし生産者たちは、今年定めた「5年後に生産量を5倍にする」という目標にむけてすでに気持ちを切り替えています。

 

◆河野博己さん

「早く全国に通用する本格的な産地に、オリーブ産地にしたいと今心新たにしているところです」

 

 

 

国東の街はオリーブの街へ。

 

15年目の秋。

収獲、真っただ中です。

 

 

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