広がる“産後ケア” 発達のチェックや悩み相談など「些細なことでも利用して」 別府市では新サービスも
大分県由布市庄内町の「梨ロード」にこの夏、ナシの直売所がオープンした。
手掛けているのは40代の夫婦だ。もともとは会社に勤めていたが、農家に転身。
きっかけは妻のガン発覚。
ガンを乗り越えた2人の思いを取材した。
梨農家に転身 きっかけは妻・佑美さんの病気
梨が特産の由布市庄内町。
およそ20の直売所が並ぶ通称「梨ロード」にことし1つの店が加わった。
オープンさせたのは木下佑美さん、42歳。
夫と共にナシ農家となったが、そのきっかけは佑美さんの病気だった。
大分市内で夫の昌樹さんと暮らしていた2017年、佑美さんの腹部にがんが見つかった。
◆木下佑美さん
こも悪くなく元気で普段通りで会社の健康診断で見つかって、抗がん剤治療なので一般的な。髪の毛も全部抜けて、いろんな血液の数値も下がりという感じ」
仕事をやめ妻を支える生活 興味を持った「農家」
昌樹さんは勤めていた板金塗装の会社を辞め、闘病活を送る佑美さんを支えた。
◆夫 昌樹さん
「自分は前職を退職して通院に付き添ってという形で毎回送っていきました。こっち(佑美さん)が優先なので」
その傍ら、新たな職を探した昌樹さんは農業に興味を持ち、県立農業大学校で学ぶことに。その中で庄内のナシを知り、栽培方法などを学んで3年前に農園を開いた。
◆昌樹さん
「ナシ作りは1年中仕事があるのであんまりまとまったお休みとかはないが、自然の中で(妻と)仕事を一緒にできるのが楽しみ」
収穫は主に昌樹さんの仕事
およそ90アールの市有地を借りナシ作りに汗を流している。
昨年度は庄内梨の品評会で最優秀賞を受賞した。
次なる夢は「動物とも触れ合える観光農園」
佑美さんは2020年にがんが再発したが、治療を受け現在は異常が見つからない状態に回復。
夫婦にとってお客さんと直接触れ合うことができる直売所のオープンは念願だった。
当初は不安だったという佑美さんだが、今では常連客もいて接客を楽しむ余裕も出来たという。
そんな木の下農園の次なる夢は観光農園。
ナシ狩りはもちろん、動物とも触れ合えるような施設を目指している。
◆佑美さん
「動物と触れ合えたりナシとかを…収穫したりとかいうのがいろいろできるような場所を作れればいいなと思う」
病気をきっかけにナシ農家へと転身した木下さん夫婦。
夢の実現に向けて、これからも笑顔を絶やさず二人三脚で歩んでいく。