【質疑応答詳細】引退表明した広瀬知事 20年間で「大分県は自信を持って良くなったと言える」

2022年10月05日 21:00更新

大分県の広瀬勝貞知事は4日の定例会見で、2023年春に予定されている県知事選について、自身の健康問題を主な理由に、出馬しないことを表明。

 

発表後の質疑応答の時間では、ときおり冗談も交えながら、晴れやかな表情で記者からの質問に回答。

この20年で大分は良くなったかと記者から問われると、「自信を持って良くなったと言える」と答えました。

 

後継について「考えはない」

 

【質疑応答 詳細】

ーーなぜこのタイミングでの発表に至ったのか

 

別に今日という日を選んだわけでもないのですが、出来るだけ早く決めたほうが、そして発表したほうがいいかなと思っていまして、なかなかいいタイミングもなかったんですけど、決断をして今日発表しました。

 

ーーこれまでの知事の県政を継続していくため、後継については

 

後継という考えはありませんね。それこそ県民の皆様が選択をされることですから、わたしからは後継のことについて申し上げるつもりはありません。

ただ、申し訳ありませんけれども、今なかなか大変な時です。少子高齢化、人口減少が進んでいる。そして我々はその中で先端技術に挑戦して、将来は新しい産業フロンティアとして宇宙への挑戦もしようと、そこをなんとか、力をつけなければいかんということです。

 

それから、社会的な課題でもあるんですが、カーボンニュートラル。

大分県は九州唯一、コンビナートを持っているわけですから、カーボンニュートラルについては、やりようによっては大変楽しみな分野であるわけですけど、やりようを間違えると大分県の将来に響く可能性があり、大変なことになってしまうというわけですね。

大変楽しみですが、しかし、リスクも多い時期でございますから、県民の皆さんの選択を固唾をのんで見ていきたいなと思っています。

 

ーー初当選前に当時の平松守彦知事から「意中の人」という言い方をされた影響はありますか

 

20年間、知事の仕事をさせてもらって、いろいろ学んだことがあります。その中で、後継については指名をしない方がいいだろうと思いました。

 

ーー後継になる方、広瀬知事の考えではどういった人がふさわしいか

 

先ほど申し上げたような大変楽しみな、しかし、やりようによってはなかなか難しい、そういった課題をしっかり正面からこなしていく、そういう方にやってほしいと思いますね。

 

20年間の思い出は「たっくさんある」

 

ーー20年間で1番思い出に残っていることは

 

たっくさんありますね。1時間くらいかかるかもな(笑い)

最初の出だしが、行財政改革から始まりまして、それから教育委員会の不祥事があり教育改革にも力を入れました。市町村合併もありました。

やはりなんと言っても、県庁職員の意識改革をやろうじゃないかということで、とにかく「県民中心の県政」とか「ノーと言わない県政」そういうのを掲げながら、県民のために働く、県民に信頼される県庁ということでやってきまして、それは県庁の職員みんなが納得をしていただき、がんばっていただきまして、あとはいろんな仕事が上手く流れていったんじゃないかと思います。

 

ーー決断をしたのはいつくらいか、どのようなところで悩んだか

 

決断をしたのは昨日(3日)です。10月3日。

それから熟慮、熟慮と言ってまして、理由は簡単に足腰が弱ってきただけかよ、っていうお気持ちかもしれませんが、ここに至るまでに実はいろいろなことを考えましてですね、一つはやっぱり足腰が不自由なこともなんとかやれないだろうか、ということも考えました。それから足腰のことは心配せずに頑張れと応援してくれる県民に勇気づけられたこともあります。

いろいろ任期を重ねるごとに、なかなか世の中が進んできて、面白いこと、是非この県のためにやった方がいいなということがどんどん出てくるものですから、しかし、こういう話はずっとあるんだから、どこかで次の人にやってもらうしかないのかということです。

そんなことが行き交いまして昨日(3日)までかかりました。

 

 

 

 

ーー今回の決断をするにあたり、ご家族、後援会関係者、どなたかに相談したか、あるいは決断についてどなたかに報告したか

 

決断については体のこととかありまして、そういう意味では家族とは話しました。

それからここまで来るにあたってはいろんな人、大変多くの方のご支援のおかげだと思っています。

本当にご相談すべき人はたくさんいるんですけども、そういう方は日頃からいろんな意見を言っていただいて、お気持ちはよく分かっているつもりですが、そこは今回のことで改めてご相談をしたわけではありません。

 

ーーご家族に話したときの反応は

 

立候補の時の反応に比べると今回はそこまでなかったです(笑い)。

 

ーー具体的には奥さまに話した?

 

そうです。

 

ーー後継という考えはないと言ってましたが、水面下で次の知事選に出てほしい人に出馬を打診したという事実は?

 

ありません。

 

ーー全国の知事の中では1番年長だがそれは決断に影響はあったか

 

年齢のことはあんまり考えませんでした。最年長ってのはいいもんですよ。みんなが大事にしてくれるから(笑い)。

 

ーー現在、県政は難しい局面ですが、あえて3つ取り組むべきことをあげるとすれば

 

まず、少子高齢化の中でも地方創生にしっかり取り組むこと。 

それから先端技術に取り組んでいますけど、やはり大分県の新しい産業のフロンティアに挑戦するということ。そこを捕まえないと大きな発展はない。

3番目、カーボンニュートラルですね、九州唯一のコンビナート、ものづくり県・大分県、ものづくり国・日本の支えになるということですから、そこをしっかりとやっていくということが大事です。

 

ーー東九州新幹線についてはあまり優先度は高くないのか

 

そんなことはないです。まだまだ今から、どう実施計画にするかということからです。今の実施計画の路線のめどが立つと、次の実施計画になるということですが、今はその前段階。

そこまでやるとあと3期くらいしないといけない(笑い)。

 

「改めて感謝の念が湧いてきた」

 

ーー発表して今の率直な心境は

 

本当に皆さんとやりとりをしていたように、できるだけ早く決めて発表しなきゃいかんなという思いがありました。

そういった点ではホッとしたという面はありますが、他方、まだあと半年はあるので残った任期に今の課題について走れるだけ走っていくということが大事だなという思いです。

ホッとした、それから多くの皆さんに改めて感謝の念が湧いてきたと、もう一つは残った半年しっかりやらなきゃいかんという気持ちですかね。

 

ーー健康問題がなければここまでやりたかったなど、心残りはあるか

 

難しいね(笑い)。ないですね。

 

過程ではいろいろ考えました。まだまだやってその都度やらなきゃいかんかなという気持ちもあったけど、(先ほど挙げた)3点についてカタが付くまでやっていくと次から次に課題が出てくるというのもありまして、身体に相談をし、引き続きやることについて未練がましいというような醜態を晒すことがないようにということね。

今は悩んだ末、カラリとした心境です。

 

 

ーー引退を考え始めたのはいつ頃か

 

引退というよりも来年選挙だなと、選挙に出るか出ないかということを考えた。体は持つかとか頭は大丈夫かとか支持してくださっている方の気持ちとか、いろんなことを考えた結果こうなったと。

 

ーーそれはいつ頃

 

それは3期目、4期目、5期目に突入した時に、やはりこれでおしまいかなという気持ちといや、まだ4期目、5期目までやるんだという気持ちがあったし、ラグビーワールドカップの時期でもあったし。

まぁ色々考え、悩んだ結果として、今はもう晴れやかな気持ちです。

 

ーー宇宙港打ち上げ控えてますが、取り組みについては

 

ほんと一号機くらいは大分空港から宇宙港から飛び立つのを是非この目で見たいと思っていますけど、こればかりはいろいろ日米の考え方をすり合わせていかなければならない大変難しいことですから、どうなるか分かりませんね。

最後まで努力をしていきたいです。

 

20年前に比べ「自信をもって良くなったと言える」

 

ーー就任した20年前に比べて、大分県は良い県になったか

 

自信を持って言えますね、なったんじゃないかと。

それは県民の皆さんにそれぞれあるかもしれないが、本当に厳しい20年だったけれども特に少子高齢化、人口減少においては大変難しい中だったが、県として前に進んだかどうかというと自信を持って大分県は良くなったと言える。

 

ーー任期満了して引退したら、したいことは?

 

とにかく、足腰を鍛えて旅行したいなと思っています。

第二の故郷スペインに行きたいですね

 

「本当に幸せを感じている」

 

ーー改めて県民に伝えたいことは

 

この間、学生にまで、次どうするんだって聞かれてですね(笑い)。

ああいう若い人にまで心配をしてもらって、大変光栄に思った次第です。

 

今こうやって辞めるというということを表明させていただくと、本当にこの20年間で何だったんだろうなという気持ちがあるわけですけど。

本当に自信を持って、大分県、形も良くなったし中身も県として盛り上がってきたような気がします。

本当にそういう意味では県民の皆さんがより高みを目指して頑張ってきていただいたおかげだなと。

共にそういう県民の皆さんと仕事ができたことについて本当に幸せを感じているところです。

 

わたしはこの20年間、県政ふれあいトークということで県内各地を回ってみて、その中には、とうとう廃村になるようなところもありますけど、いろんなお話を聞かせていただいて、共に住み良い、より元気な、将来の可能性豊かな大分県をつくっていこうということで、やってきたわけですけど、そういうみなさんの顔が思い浮かびます。

いろんなことがあった中で、色々あるけど頑張れといって温かい気持ちで変わらぬ支援をいただいた県民の皆さんがたくさんいます。

 

そういう皆さん、いろんな人に感謝の気持ちでいっぱいです。

 

 

<大分県知事・広瀬勝貞氏 略歴>

大分県日田市出身。経済産業省の事務次官などを経て2003年に大分県知事選に無所属で立候補して初当選。5期目。現在80歳で現職の知事としては最高齢。(※2022年10月5日時点)

 

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