19歳大学生ひき逃げで奪われた命と海外への夢 未解決のまま3か月、遺族の無念晴れる日は

2022年10月03日 13:00更新

大学生死亡ひき逃げ事件から3か月

 

この事件はことし6月29日、別府市野口原の交差点で赤信号で止まっていた2台のバイクが軽乗用車に追突され、バイクに乗っていた男子大学生2人が死傷したものです。

 

事件は発生から3か月が経ちますが、容疑者の男は依然、逃走を続けています。

この事件で亡くなった19歳の大学生の父親がつらい胸の内を明かしました。

 

突然の訃報に家族は

 

――男子大学生の父親

「事故があって心肺停止していますと。頭が真っ白でした。何のことかわからないし信じられないし、何も考えられなかった。それから(妻と)2人で大分に向かったが行った時には心肺停止して何時間か経っていたので(生前に)全く会うことが出来ず…」

 

 

息子とは頻繁に連絡を取り合っていて、事件の前日にも通話アプリで会話したばかり。突然の訃報が信じられませんでした。

 

――男子大学生の父親

「信じられない。ただ、泣き崩れただけ」

 

幼い頃からサッカーに励んできたという亡くなった学生。スペインにサッカー留学した経験があり、けがでサッカー選手という夢を諦めたあとも世界を動かすような経営者になりたいという目標を持っていました。

 

突如、奪われた海外への夢

 

大学の入試で提出したエッセーのタイトルは、「新たな目標、世界への挑戦!」。一緒に提出した書類には「世界中に人脈を広げたい」という言葉もありました。

 

 

――男子大学生の父親

「世界に出て世界中の友達と力をあわせて起業したいと言っていたので立派な夢だなと。両親思いで友達思いでスマートで頭もよく本当に立派な息子」

 

友人に恵まれていたという大学生、葬儀には1000人近い人が訪れ突然の別れを惜しんだそうです。

 

警察は容疑者を公開手配

 

この事件を巡っては道路交通法違反のひき逃げの疑いで八田与一容疑者26歳が公開手配されています。防犯カメラは、八田容疑者が現場から別府湾方面にはだしで逃げ、国道10号を渡る様子を捉えていました。

 

捜査関係者によると事件の直前、八田容疑者は亡くなった大学生との間でトラブルになっていて故意に追突した可能性があるということです。

 

 

 

 

県警は80人態勢で捜査続ける

 

県警は80人態勢で捜査を続けていて、延べ7440人の捜査員を投入しています。

 

県警にはこれまで九州や関東の人などから「似ている人を見た」などという情報が67件寄せられていますが、いまのところ有力な手掛かりはないということです。

 

 

 

引き続き情報提供を呼び掛ける

 

ーー男子大学生の父親

「怒りと憎しみしかない。1時間でも1分でも早く逮捕してもらいたい。卑怯にも人の命を奪っておいて何を逃げているんだと。犯人に対しても自ら出頭してほしいと伝えたい。自分が悪いことをしたと認識してほしい」

 

 

亡くなった大学生は事件後の8月31日が誕生日で、本来であれば元気に20歳を迎えるはずでした。

 

事件発生から3か月。遺族や県警は引き続き情報提供を呼び掛けています。

電話番号は、別府警察署0977ー21ー2131です。

 

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