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教師の負担軽減などを目的に中学校の部活動を学校から民間のスポーツクラブなどに移行する動きについて、大分県内の現状を取材した。
大分県豊後大野市の小中一貫校、朝地小中学校。
16日、中学生のバレー部で指導していたのは顧問の教師ではなく、地域のスポーツクラブに指導者として登録している西照幸さんだ。
バレー部を指導する 西照幸さん:
「少しでも僕の専門性を子どもたちに還元できればと思って、いま指導しています。」
公立中学校の運動部については、6月、スポーツ庁の有識者会議が来年度から3年間を目標に段階的に地域や民間クラブなどに移行していくという提言をまとめた。
大分県体育保健課の高木裕規さんは、「(多様な)スポーツ機会の構築が1つ。もう1つは学校の先生の働き方改革の推進をすることで、他の学校教育の質の向上につなげていく」と話す。
大分県でも昨年度から運動部を地域に移行するための試験的な取り組みが始まっていて、朝地小中学校ではバレーや卓球など4つある全ての部活動で、地域のスポーツクラブに登録している人の指導が行われている。
週に2、3回、バレー部を指導している西さんは元教師で、長年にわたりバレー部の顧問を務めた経験がある。定年退職した今は朝地小中学校など3校で新任教師の指導を行っていて、地域のスポーツクラブの指導者に登録している。
一方、練習が行われている間、顧問の教師は職員室に。
バレー部顧問 有田晋梧さん:
「定期テストの作成と会議の資料作りとかをしていました。」
バレー部は週に5日練習していますが、西さんが担当する日は教材の準備などに時間を使うことができていると言う。
また、副顧問の教師も負担軽減につながっていると話す。
バレー部副顧問 三浦玲さん:
「普段、部活が終わってから仕事となると帰るのが遅くなってしまったり、自分の時間がないなと感じてしまう時もあるんですけど、外部の指導の先生が来てくれると自分の仕事が先に進められるので凄く助かっています」
生徒たちも経験豊富な西さんから専門的な指導が受けられると歓迎していた。
バレー部の生徒は:
「スパイクの手の形や打ち方とか1つ1つを詳しく教えてくれます」
「厳しくてきつい時もあるけど、基本的なことを教えてくれるのでとてもわかりやすくて試合で役に立っています」
バレー部を指導する 西照幸さん:
「スポーツ庁を中心に取り組みを進めていこうという機運が盛り上がっていますけども、専門性を持った人が地域に必ずいるとは限らないので、市全体をあげて地域人材の発掘が必要だと思っています」
県は今後、各市町村の教育委員会と協議を重ね、それぞれの自治体に応じた運動部の地域移行を進めていきたいとしている。