「毎日朝ごはん食べる」当たり前じゃない…貧困世帯の子供 大人の責任は

2022年06月08日 15:50更新

国連が定めた「持続可能な開発目標=SDGs」

「貧困をなくそう」について、子供の貧困問題を解決しようと活動する大分県内の団体を取材しました。

 

登校前の子どもたちに朝食を無料提供

 

 

あさ6時半前から料理をする人たち。

こども食堂などを運営する「すみれ学級」という団体で、作っていたのはこどもたちの「朝食」です。7時頃になると登校前の小中学生たちが続々とやってきました。

親の収入が低かったり、ひとり親世帯といった理由で日々の食事がおろそかになりがちな子供たちなどを支援しようと、平日は毎日無料で朝食を提供しています。

   

◆子どもたちは

「ご飯おいしかったです」

 

◆すみれ学級のスタッフは

「ありがとう。またね。行ってらっしゃい」

「今みたいに「おいしかったです」と、出ていくと一番うれしい」

 

子どもの7人に1が貧困世帯で暮らす

 

 

国によりますと、貧困世帯で暮らす子供の割合は13.5%。

実におよそ7人に1人に上っています。

一方、県の調査では経済的な困難を訴える世帯の子供はそうでない世帯と比べ、「朝ごはんを毎日食べる」と答えた割合が10ポイント以上低くなりました。

 

 

また、「学校の授業がわからないと思うことがよくある」と答えた割合は倍近くになっていて、教育格差も課題です。

 

◆すみれ学級 藤井富生理事長

「ご飯を十分に家庭で食べることができない子供たちは結局、勉強・家庭学習も行われていないんじゃないかと。(そういう子供が)10人いて、1人でも2人でも来てくれることがあれば、私たちすみれ学級の使命だと思っている」

 

食事だけでなく学習指導も

 

すみれ学級は現在、県内6か所でこども食堂を運営しています。

別府市では、夕食を提供していて、宿題の面倒を見るなど学習指導も行っています。

 

支援は他にも…

こちらは、女性の生理用品。

経済的な理由などで生理用品を買えない「生理の貧困」が問題となる中、こども食堂を利用する小学4年生から中学生の女の子たちに無料で配布しています。昨年度は、延べおよそ320人が利用したということです。

すみれ学級の活動は助成金はあるものの、調剤薬局を経営する藤井理事長の資産や企業や個人からの寄付金で成り立っていて、藤井さんは、広く協力を呼び掛けています。

 

 

 

◆すみれ学級 藤井富生理事長

「子供は昔から国の宝と言われているじゃないですか。しっかり育てて、しっかり支えてあげないと。それは私たち大人の責任」

 

家庭環境に関わらず、こどもたちが将来への夢を持つ。

すみれ学級はそんな社会の実現を目指しています。

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