早くも「年末年始商戦」食卓を彩るクリスマスケーキやおせち トレンドや物価高騰の影響は 大分
85歳でバンド活動を行う、大分県大分市の男性。
多くの人を楽しませるハワイアンギターの演奏の裏に、最愛の妻との別れがありました。
ハワイアンギターでどこか懐かしい音色を奏でるのは、安部宣彦さん85歳です。
安部さんのバンドは、地域のイベントや高齢者施設に招かれ演奏を披露しています。
◆安部宣彦さん
「童謡と日本名歌、昭和の歌。お客さんの要望に応じて弾く」
疎遠になっていた音楽活動・・再び始めたきっかけは
安部さんが音楽に没頭したのは大学時代。
デパートやホテルから演奏のオファーを受けるほどの腕前でした。しかし、卒業後は仕事に追われ、いつしか音楽とは疎遠に…
全国各地で働く転勤族となりました。
退職後、「気に入った場所だった」という大分を第2の人生の地に選びましたが、すでに音楽が無いことが日常に…
そんな安部さん、6年前に人生の岐路を迎えました。
◆安部宣彦さん
「男が妻を喪ったら、ダメですね。何をやってもやりがいがない」
最愛の妻・博子さんに先立たれたのです。
その喪失感で、自宅に引きこもりがちに…そんな生活が1年ほど続きました。
立ち直るきっかけは、近所に住む瑞木啓司さんの言葉でした。
瑞木さんは安部さんを地域の活動に誘い、「若いときの特技を生かしてみたらと」とアドバイスしたのです。
『このままではいかんけん』立ち直る栄養剤に
◆安部宣彦さん
「『安部さん、このままではいかんけん』と言われたのが、立ち直る栄養剤になった」
◆安部さんにアドバイスをした瑞木啓司さん
「どんどん積極的になって、まさに個性を発揮しているんじゃないかなと思います。」
こうしておよそ60年ぶりに音楽活動を再開したのでした。
亡き妻への思い出を綴った『想い出ソニック』
『想い出ソニック』
これは亡き妻・博子さんとの思い出を綴った曲。
夫婦の旅行ではJRの特急ソニックをよく利用したそうです。
♪想い出ソニック
2番:「あなたのいない時代(とき)がすぎ 生きるのぞみも消えました」
◆安部宣彦さん
「2番なんかはもうやっぱり・・・いや~いかんわ・・・」
最愛の人との別れは今も悲しい…
ただ、再び向き合った音楽の力で多くの人を楽しませ、自分も生きがいを感じています。
◆安部宣彦さん
「いい曲だと(聞いた人から)褒めてもらうのがすごくうれしくて、それをいつも妻に報告しているんですけどね、『元気な間は演奏やってね』と言っていると思います。生きている間、一生懸命やってみたいですね、演奏を」