車椅子インフルエンサー中嶋さん〝障害者の常識をぶち壊す〟

2021年11月02日 00:00更新
「障害者の常識をぶち壊す」という一見、過激なテーマを掲げ、テレビ出演やYouTubeと幅広く活躍する女性がいる。
車椅子インフルエンサーを自称する中嶋涼子さん35歳。東京都大田区生まれの中嶋さんは9歳の時に突然、歩けなくなった。原因不明のまま下半身不随となり車椅子生活に。
その後、アメリカでの生活を経た後、「障害者の常識をぶち壊す」を発信を続けている。
大分市で開かれた「スポーツ・オブ・ハート」に参加した中嶋さんにお話しを伺った。
 
ーーTOSオンライン編集部です。コロナの感染状況も落ち着き、スポーツ・オブ・ハートが大分で開催できました。
 
ことしで私は4回目になるんですけど。またこうやって大分に戻れて色んな人と生で触れ合えるのがすごいうれしいです。大分ならではの文化とか食べ物食べたりとか実際に大分の人と触れ合ってお話できるのがすごい楽しくて。
(来年は)コロナがもっと収束して、会場に来てもらってさらに盛り上げていけるといいなと思います。
 
 
ーー東京だけではなく〝大分で〟大会をやる意義をどう感じていますか。
 
東京2020(オリパラ)が行われて、東京ばかりがフューチャーされがちなんですけど、やはり日本全体がどうなるか。大分もすごくバリアフリーの整っている地域ですけど、地方のバリアフリー化というか色んな人が活躍できる場所になっていくことが大事なのかなと思っています。地方がバリアフリー化していって人の心も変わっていく。〝どんな人でも活躍できるんだよ〟って。スポーツだけじゃなくて、ファッションショーだったりミュージックだったりパフォーマンスとかモデルや歌とかいろんな分野で。障害だったりLGBTだったりマイノリティだったり関係なく活躍できることを見せられる場になったらいいなと思います。
 
ーー中嶋さんは〝障害者の壁をぶち壊す〟という言葉をテーマに活動されていますが、きっかけなどあれば教えてください。
 
私はずっと18歳から7年間アメリカに住んでいたんですけど。アメリカにいる間はどこに行っても皆が気さくに話しかけてくれて「なんで車椅子に乗っているの?」とか「何か手伝おうか?」とか、普通に知らない人が声をかけてくれて。そんな社会で7年間暮らしていたら、何か自分が障害者なのを忘れてしまうくらい心地良かったんですね。
 
それで7年後に日本に戻ってきたら、なんとなく皆に気を使われるというか、障害に触れてこない感じだったりとか。どこに行くにも階段があったり多目的トイレが無かったりとかで。自分って障害者だったと思い出すような場面が多かった。それってでも、皆がもっと声をかけあえるような社会になれば、日本にいる障害者の人ももっと生きやすくなるんじゃないかと思って。そういう壁をなくしていけるような活動をしています。
 
ーー声をかけるだけでも障害がある人の暮らしやすさが変わるということですね
 
環境を変えるのは難しいんですけど、人の心を変えることならできるかなと思って、色んな人の前で話して偏見というか障害に対して身近に感じてもらえるような活動をするようにしています。YouTubeだったり講演会だったり今日のようなファッションショーにも出させてもらって、障害があっても普通に生きているよというのをアピールしています。
 

 

ーーYouTubeも拝見しました。排便の日を〝UD(うんこデイ)〟と表現して排便障害など他人には少し話しにくい話題も発信されていますね。

 
友達が〝UD〟のスタンプまで作ってくれて。広めようと。ちなみに一昨日〝UD〟だったので疲れているんですけど(笑)。
UDとか、そういうのを皆に知ってもらうことで「大変だね、UD!」みたいな感じで分かってもらうだけで十分、嬉しいなと思っています。そういう赤裸々なこともYouTubeで自分から話してしまって。それで障碍者のリアルを知ってもらうことで壁をとっていけたらいいなと思っています。
 
ーー最後に中嶋さんの今後の目標を教えてください。
 
私、本当に肩書が謎で(笑)。パラリンピック選手でもないしタレントでもないし、何なのかよく分からないんですけど。
今、ドラマを撮影してまして。初めて女優みたいなことをしていて、死ぬほど演技が下手なんですけど、それもまた楽しくて。本当に色々やっていてモデルも楽しいんですけど、ちょっとダイエット失敗して今回、ちょっとドレスがまあまあきついんですけど。もうちょっと頑張ってモデルみたいなこともやりたいし、ドラマもやりたい。
 
本当に色々なことに挑戦して車椅子なことを忘れてしまうくらい普通の人と同じようにいろいろやって。「そういえばこの人、車椅子だ」と思われるくらいキャラクターのほうが先行するくらいの人になりたいです。あとYouTubeの登録者10万人目指してバズらせたいと思います!
 
 
 
TOSオンライン 編集部
取材リポート

今回、お話しを伺った中嶋さん。YouTubeで〝心のバリアフリー〟を広めるため、積極的な発信をされています。

中嶋さんの話しをもっと聞いてみたいという方、〝UD〟について詳しく知りたいという方、ぜひこちらをご覧ください。

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