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県内では実に22年ぶりとなるウイスキーの製造が竹田市久住町で始まっている。
蒸溜所を開いたのはウイスキーを愛する男性。
長年の夢を叶えて製造に取り組んでいる。
「ウイスキーを自分の手で造る」
竹田市久住町にある「津崎酒店」。
酒が並ぶ店内は普通の酒店と変わらないが、敷地を進んでいくと見える大きな建物。
中には大きな機械が並んでいる。
何を作っているかというと…。
――宇戸田祥自さん
「こちらは大麦麦芽からシングルモルトウイスキーを作っている蒸溜所になります」
2021年2月から稼働を始めたウイスキー工場、その名も「久住蒸溜所」。
かつては県内でもウイスキーが製造されていたが日田市にあったニッカウヰスキーの工場が1999年に閉鎖して以降、県産ウイスキーは途絶えていた。
オープンさせたのは津崎酒店を営む宇戸田祥自さん。
大学生のころバーで初めてウイスキーを飲んで以来その魅力にはまったという宇戸田さん。
宇戸田さんは友人たちと福岡でウイスキーの試飲を楽しむイベントを毎年企画していて今では3000人ほどが訪れる一大イベントとなった。
そんな愛好家の宇戸田さん、趣味が高じて抱いた夢が「ウイスキーを自分の手で造る」ことだった。
――宇戸田祥自さん
「家業が酒販店だったので家業を継いでいつかはしたいなとずっと思っていた。2015年くらいから本格的に何としてもやってみたいということで具体的な行動に入った」
こだわりはハンドメイドの蒸留器
宇戸田さんがこだわったのがウイスキーの原液を作る2つの大きな蒸留器。
本場スコットランドから取り寄せたもので形についても宇戸田さん自らがオーダーして全て手作業で作ってもらったという。
――宇戸田祥自さん
「工程そのものはシンプルだがシンプルであるがゆえに機械の操作1つで味わいがガラッと変わってしまう。終わりはないというかすごく繊細で難しい。でも面白いという実感は今もっている」
木樽で3年以上は寝かせて造るシングルモルトウイスキー。
宇戸田さんの目先の目標は3年後に久住蒸溜所で造る「久住シングルモルトウイスキー」を自らの手で販売することだ。
――宇戸田祥自さん
「自らを省みたり嫌なことがあっても癒してくれるそういう酒が育っていけば作った甲斐があるかなと思う。100年後もここでウイスキーを作っている、それが今のみんなの目標」
大好きなウイスキーを自らの手で作りその魅力を届けていく。
宇戸田さんの挑戦が始まっている。
【2021年4月取材】