インフルエンザ患者数増加傾向 大分市などで学級閉鎖も 県が感染対策呼び掛け
宇宙を目指す企業の挑戦をお伝えします。
大分県由布市の企業などが開発に携わった観測衛星「てんこう2」は11月末までの打ち上げを目指しています。
宇宙を目指すその思いを取材しました。
日本の主力だったH2Aロケットに代わりおととしから打ち上げが始まった「H3ロケット」。
これに搭載され11月末までの打ち上げを目指しているのが観測衛星「てんこう2」です。
てんこう2は地上から500kmほどの低軌道上を周回し、板状の樹脂が宇宙空間でどの程度劣化するかや放射線の量などを調べます。
観測結果は月や惑星の探査機の開発に活用される予定です。
縦30cm、横20cm、幅10cmの超小型の観測衛星で2018年に打ち上げられた「てんこう」よりもおよそ90%小型化されています。
◆デンケン 首藤孝司さん
「全世界の人にエンターテイメン ト、喜び、楽しみを与えられるようなものだと思うので全世界の人に楽しんでもらえれば」
このてんこう2の開発に携わったのが電子機器の製造・開発などを手掛ける由布市挾間町のデンケンです。
デンケンはメインコンピューターとなる回路基板を製作。
衛星の姿勢制御などを担う10センチ四方の大きさで、首藤さんは2018年のてんこうに続いて設計責任者を任されました。
◆デンケン 首藤孝司さん
「(2018年の)てんこうの場合 は3か月間は正常に動いたのを確認できたが。通信が不安定になる、動作がちょっと不安定になるところがあってそこの改善が一つのテーマだった」
今回のてんこう2では不具合の原因となる放射線の影響を受けにくい部品を使用したほか、基板をつなぐ配線を宇宙空間に露出させないようにすることで改善し、てんこうのおよそ2倍となる2年間の稼働を目指しています。
基板には1ミリほどの部品もありますが、制作はすべて手作業です。
◆デンケン 小野浩気さん
「(部品が)1ミリ×0.5ミリとかになると実際に、はんだ付けをするエリアも狭いし、難しいところではあるかなとは思います。電子部品なので、人の手でそのまま触っただけでも壊れることもある」
てんこう2の開発を担った日本大学の奥山圭一教授はデンケンの技術力についてこう評価します。
◆奥山圭一教授
「“宇宙品質”の基板を設計して作る力を持っている会社、自信をもって宇宙に出せる。(てんこう2の完成度)私は100点満点だと思っている。私たちが作った衛星が宇宙に駆け上がっていく姿を早く見たい」
県内企業の高い技術力が詰め込まれたてんこう2は多くの人の思いと希望をのせて11月末までの打ち上げを目指しています。