ふるさとのデパート「トキハ」90周年 地方老舗百貨店 今後の展望を社長に聞く 大分

2025年04月30日 18:00更新

人口の減少やインターネット通販の普及などを背景に地方では百貨店の閉店が相次いでいます。

 

こうした中、大分市のトキハは2025年、創立90周年を迎えます。

 

トキハの社長に今後の展望などを聞きました。

 

 

県内唯一の百貨店「トキハ」。

 

その歴史が始まったのは1935年のことでした。

 

戦後の復興や増改築を経て、2025年10月、創立90周年を迎えます。

 

 

トキハと言えば、ヒマワリの紙袋。

 

さまざまな思い出があるという人も多いのではないでしょうか。

 

 

◆常連客

 

「トキハはずっと。売り出しとかそんな時に(来る)」

 

 

◆常連客

 

「おいしいものを食べたい時」

 

「化粧品とか買う時」

 

「ご褒美とかかな」

 

 

 

 

 

 

 

トキハの社長に2024年に就任した酒井祐一さん。

 

 

◆トキハ  酒井祐一社長

 

「90年の歴史は、お客様、取引先、地域に支えられたので、まず感謝をしなくてはいけない」

 

 

就任以来、酒井社長は「笑顔の総量を増やす」を目標に掲げてきたといいます。

 

90周年を記念して制作したロゴマークはスマイルマークを表現したということです。

 

 

 

 

 

◆トキハ  酒井祐一社長

 

「地域の中で育まれた店。県民ひとりひとりの生活にトキハを織り込んでもらっていると分かる」

 

 

衣・食・住を中心に百貨店ならではの高級感のある品揃えやサービスで、多くの人に愛されてきたトキハ。

 

 

 

 

 

一方で、地方の百貨店が年々厳しい状況に置かれているという現状もあります。

 

 

島根県では2024年1月、一畑百貨店が65年の歴史に幕を下ろしました。

 

コロナ禍やインターネットショッピングの普及などが要因です。

 

 

1950年に全国で111店舗あった百貨店は、1999年にピークを迎え311店舗に。その後は年々閉店し去年12月時点では178店にまで減っています。

 

 

◆トキハ  酒井祐一社長

 

「効率を考えるなら当然スマホやウェブで十分だけど、人間は効率だけではいかない。効用があって幸せが出てくる。こちら側を私たちは磨き上げる」

 

 

 

 

 

また近年のトキハが関係を重視しているのが、近くにある「アミュプラザおおいた」です。

 

当初は「競合」と意識していましたが今は「連携」が重要だと感じているといいます。

 

 

◆トキハ  酒井祐一社長

 

「携帯のキャリアデータで(客が)どう動くかが分かる。一番典型的だったのが、バレン タイン。バレンタインのデータを見ると、アミュプラザとうち を行ったり来たりしている。やはりお客様は一か所で決めるよりはいろんなところを見たほうが楽しいんだとデータが表して いる」

 

 

「アミュプラザおおいた」は2025年10周年。

 

互いに節目の年を迎え、中心市街地を盛り上げようと今後さまざまな企画を連携して行っていくということです。

 

 

 

 

 

◆トキハ  酒井祐一社長

 

「90周年をゴールではなく100周年に向けたスタートにしようと位置付けている。大分のお客様とは生涯の付き合いをしようと。そんなトキハになるのが大きな目標」

 

 

90年という長い年月を地域と共に歩んできたトキハ。

 

百貨店にとって厳しい時代を迎える中、変化に対応するふるさとのデパートとして、これからも歩みを進めます。

 

 

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