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■大分県は石灰石の生産量全国一位!
津久見市だけでも、年間におよそ3000万トンもの生産量を誇る石灰石。
津久見の石灰石は、もともと赤道周辺にあった巨大な珊瑚礁が2億から3億年まえに地殻変動によって移動し、堆積してできたものだと言われている。
その埋蔵量は、40億トンほどもあるのだという。
■石灰石の使い道はこんなところにまで
お話を聞いたのは、津久見市にある戸高鉱業社の山崎重夫さん。
戸高鉱業社は、津久見市や臼杵市の山から石灰石を採掘・加工・販売している会社である。
山崎さんによると、石灰石の用途はセメントやコンクリートだけにとどまらず、
鉄を作る際に不純物を取り除くためにつかわれたり、吸水性に優れ食べても無害なため
乾燥剤として使われている。
我々の身の回りのものにも石灰石が潜んでいるのだ。
■スケールの大きさは想像を超えていた
ということで、今回は意外とすごい石灰石の秘密を
誕生から港で巣立つところまでを追いながら深掘りしていく。
早速、津久見市内から車で30分ほどの石灰石鉱山へ。
石灰石鉱山が一望できると言う場所まで来ると…
見渡す限りの山、このすべてが石灰石という。なんという圧巻の景色。
■やってきたのは「戸高鉱山」
なんとここから見える全てが石灰石でできていて、見えているエリアで残り4億トン弱の石灰石が取れるそう。
そんな鉱山で、どうやって石灰石を採掘するかというと…
発破して一部分を崩すのだ。その光景も、なんともド派手である。
■15mの階段や100tを運ぶ車…規模もド派手!
階段状に発破をおこない、少しづつ切り崩された石灰石は、その後、様々な重機によって積み込まれ、運搬されていく。
ちなみにこの石灰石の階段は、1段15mもあるそうだ。
とにかく規模の大きな鉱山では、働く車もおもちゃのように感じる規模!発破で切り崩した石灰石を1回におよそ100tも運ぶことができる車もある。
■大量の石灰石、山奥からどうやって港へ運ぶ?
山崎さんに連れられ、実際に採掘現場へ降りていくことに。山奥の石灰石鉱山から港まで、どうやって石灰石を届けるのか疑問であるが…
山の中には、立坑(たてこう)と呼ばれる直径10mの穴がなんと地下250mまで続いていて、その下から港へ石灰石を運ぶという。一体どういうことなのか。
■初公開!地下トンネルの先にある施設へ
わざわざ石灰石を地下へ送るのはある施設のためということで、
見せてもらったのは、テレビ初公開の場所。
採掘現場からおよそ300m下に位置するとある施設に向けて、地下トンネルを真っ直ぐに進んでいく。
■巨大な石灰石を「持ち運ぶ」ために必要な場所
地下迷宮のようなトンネルを進むこと数分。
やってきたのは鉱山地下の小割室(こわりしつ)という所。
立坑から流れてくる石灰石の中には大きすぎて途中で止まってしまうものもある。
そこで、「油圧式ブレーカ」の出番。
およそ10km離れた中央管理室から遠隔操作で重機を操り、巨大な石灰石もあっという間に砕いていくのだ。
■地下に設備が作られた理由
続いて向かったのは、「油圧式ブレーカ」で砕いた石灰石をさらに細かくする「クラッシャ」がある場所。
山崎さんの解説も全く聞こえないほどの騒音が響く「クラッシャ」。
すりばちのような機械で石灰石を細かく砕いている。
石灰石を砕く時に発生する騒音や粉塵への対応のため、戸高鉱業者では地下に施設を作っているのである。
■ベルトコンベアで港まで直行!
こうして細かく砕かれた石灰石を港へ運ぶためのある施設が見られると言うことで、一同は港周辺へ移動。
津久見市内でよく見かけるこちらの建造物、実は鉱山から港へ石灰石を運ぶベルトコンベア。
毎分360mで1時間に3600t運ぶことが可能なこちらのベルトコンベア、その長さはなんと8.3kmにもおよぶ。
■ついに港へ
多くの工程を経て、最後にやってきたのは出荷に必要な港。
◆戸高鉱業社 山崎重夫さん
「海岸設備では、用途別(コンクリート用、鉄鋼用、セメント用など)に石灰石を貯める貯鉱場や出荷用の船に石灰石を積む設備があり、こちらから全国各地に出荷されます」
鉱山から採掘され様々な過程を経て、ついに全国へと出荷される石灰石。
地味だと思っていた石灰石日本一の裏側にはド派手なストーリーが隠されていた。
私達の石灰石に対する知識は、"鉱山の一角"に過ぎなかったのであった。