時速194キロ死亡事故 検察が控訴へ 一審判決は「危険運転」認定し懲役8年 遺族「量刑軽すぎる」
3年前、大分県大分市で起きた時速194キロの車による死亡事故の裁判員裁判は、28日午後3時から判決が言い渡されます。
「危険運転致死罪」が成立するかどうかが最大の争点で大分地裁の判断が全国的にも注目されています。
この事故は2021年2月、大分市大在の県道交差点で市内に住む会社員の小柳憲さん(当時50)が、車で右折しようとしたところ、法定速度の3倍以上の時速194キロで直進してきた車と衝突し、亡くなったものです。
当時19歳だった被告の男について、大分地検は当初、法定刑が懲役7年以下の「過失運転致死罪」で起訴。
しかし、遺族の署名活動などのあと、法定刑が懲役20年以下の「危険運転致死罪」に起訴内容を変更しました。
11月5日から裁判員裁判が大分地裁で始まり、今月15日までにあわせて6回公判が開かれました。
この中で検察側は「わだちや凹凸のある現場の道路を194キロで走行した場合、ハンドルの操作は困難になる。また、被告の運転は他の車両の安全な通行を妨害するものだった」などと主張。
「制御困難な高速度」で「妨害目的」という要件を満たし、「危険運転致死罪」が成立するとして懲役12年を求刑しました。
これに対し、弁護側は「車は被告の意図した通りに直進できていた。また、他の車の通行を妨害する積極的な意思も無かった」などと反論。
「危険運転致死罪にはあたらず、被告は過失運転致死罪で処罰されるべき」と主張しています。
時速194キロの車による死亡事故は「危険運転」か、それとも「過失」か。
全国的にも注目される判決はきょう午後3時から言い渡されます。