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オレオレ詐欺 爆発的に急増 被害件数は前年の10倍以上
2024年、大分県では警察官や検察官などをかたる人物から、金をだまし取られる「オレオレ詐欺」が爆発的に急増。
2024年の被害件数は前年の10倍以上で、約3億円の被害が出ている。
電話で人の不安をあおる、その巧妙な手口とは。
10月だけで被害額約2億6000万円 発生件数は全体の約6割占める
大分県警によると、2024年1月から10月28日までに、県内で発生した警察官や検察官などをかたるオレオレ詐欺の被害は37件で、被害額は3億248万円。
このうち、10月に入ってからの被害は23件で、全体の約6割を占めていて、急増していることが分かる。
そして2024年確認されている全体の被害額3億248万円のうち、約2億6000万円が10月に入ってからのものだという。
約3500万円だまし取った手口 大手通信会社や警察官、検事を名乗る
詐欺の手口は様々で巧妙だ。
県内でのオレオレ詐欺の被害としては過去最大となる約3500万円をだまし取られた大分市の60代の女性、その犯行の手口は次のようなものだった。
2024年8月、女性の自宅に1本の電話がかかってきた。
女性が電話をとると、電話口には「大手通信会社を名乗る女」。
そして、女性は電話料金が未払いになっていることを告げられた。
次に電話を代わったのは「警察官を名乗る男」。
男は女性に対し「暴力団の家からあなたの通帳が出てきた。犯罪の疑いで検事から電話がある」などと言われた。
その後再び電話があり、今度は「検事を名乗る男」が登場。
「あなたの口座のお金を悪人が引き出すかもしれないので取りに行く」などと言われたという。
電話の内容を信じた女性は現金を入れた封筒などに入れ準備。
そして自宅アパートの集合ポストの下に置いて、あわせて約3300万円をだまし取られた。
さらに女性は「電話料金を立て替えた」などとも言われ、10月までに10回にわたり現金あわせて約200万円も指定の口座に振り込み騙し取られている。
女性がだまし取られた被害額は約3500万円で県内で発生したオレオレ詐欺としては過去最大。
女性は詐欺に関する報道を見て、警察署を訪れて相談。
そして自身の被害に気付いたという。
別の女性も被害「ヤクザが金をあなたの口座に振り込んだ」
また、似た手口で、別府市の70代の女性は1286万円をだまし取られている。
9月、女性の自宅に電話がかかった。電話口に出たのは警察官を名乗る男だ。
「ヤクザを逮捕したら、あなたの名前をかたって薬物を売買していた。ヤクザは薬物の売買で得た400万円をあなたの口座に振り込んだと言っている。身に覚えがないなら、そのことを証明するために紙幣番号を確認する必要がある。すべての口座から現金を引き下ろして手元に用意するように」
その後、再び自宅に電話がかかってきた。
電話口に出たのは「警視庁の警察官を名乗る別の男」。
「下ろした現金を玄関先の鉢植えのそばに置いてください」
そう指示された女性は1286万円を自宅の鉢植えのそばに置き、だまし取られた。
また女性は男たちから「金融機関の職員から用途を聞かれた時は、家のリフォームのためと答えるように」と指示されていたという。
この女性が詐欺被害に気付いたのもほかの被害を報道で知ったことがきっかけだった。
オレオレ詐欺多発で大分県警「非常事態」 警察や周りの人に相談を
このほかにも大分県内では「あなたには詐欺をしている疑いがある」「民事裁判を起こしている」などと言って、言葉巧みに被害者の不安をあおり金をだまし取る事案が多発している。
こうした状況を警察は「非常事態」だとしている。
警察は「警察が電話で『逮捕する』や『現金を取りに行く』などということはない。また、SNSやビデオ通話で警察手帳や逮捕状を見せることもない。お金を渡したり、振り込んだりする前に周囲の人や警察に相談してください」と注意を呼び掛けている。