被害急増「SNS型投資詐欺」借金をしてしまう人、退職金をつぎ込んでしまう人も 大分

2024年05月13日 15:00更新

LINEやフェイスブックなどのSNSを通じて、やり取りをしながら投資を勧め、最終的に投資名目で金銭などをだまし取る「SNS型投資詐欺」の被害が全国的に急増しています。これまでの特殊詐欺とは異なる特徴や手口があるといいます。


 

警察庁によりますと、去年、SNS型投資詐欺の認知件数は全国で2271件、被害額はおよそ278億円に上ります。
1件当たりの平均被害額は1000万円を超えていて、被害者の年齢層は、男性が50代から60代、女性が40代から50代が多いということです。

大分県内でも、SNS型投資詐欺について、2024年3月末時点で被害届を受理した件数は6件、被害額はおよそ1億3000万円に上ります。
また、暫定値ではありますが、4月以降さらに11件、およそ8900万円の詐欺被害が出ています。

高額な被害が相次いでいますが、被害者の中には、借金をしてしまった人や退職金をつぎ込んでしまっているケースもあるということです。

◆大分県警生活安全部生活安全企画課安全・安心まちづくり推進室神田英樹室長
「県警としても極めて憂慮すべき状況。若い世代だけではなく高齢の人でも、気軽にSNSを利用しているような社会になっている。そういった点も、SNS型投資・ロマンス詐欺が広がってきた要因ではないか」


 

2024年日出町では、60代の男性がおよそ1700万円をだまし取られる被害にあいました。

警察によりますと、男性はSNS上の広告をきっかけに、著名人をかたる人物が作ったSNS上の投資グループに参加。
そこで株の取引に関するやり取りをするようになりました。
男性は「『必勝株』の取引情報を発表する。」などと連絡を受け、指定された口座に金を振り込みだまし取られたということです。


こうしたSNS型の詐欺には、今までの特殊詐欺とは異なる特徴があります。
それは、犯人側が犯行にかける時間を長く取るということ。やり取りを重ねて、被害者と十分な信頼関係を築いた上で犯行に及んでいる点です。

これまでの特殊詐欺では、「携帯料金の未払があるので今日中に振り込んで」や「還付金があるので早く手続きをして」などと、短期的な犯行が特徴でした。
先ほどの被害にあった日出町の男性が、投資グループでやり取りをし始めたのが2月頃。実際に金を振り込んだのが3月中旬から4月下旬と、やはり犯行にかなり時間をかけているようです。こうした点も騙されてしまう一つの要因と考えられています。


 

◆大分県警生活安全部生活安全企画課安全・安心まちづくり推進室 神田英樹室長
「人が人を信用する時には、やはりテレビに出ている人や、本を出版している人などは、直接話をしなくてもその人を信じてしまうところが、人間の心理としてあるのではないか。著名人や投資家を名乗ったネット広告、こうしたものが詐欺の入り口になっている。なのでまずこうしたネット広告を見る際には、必ず注意をしてほしい」


こうした詐欺に引っかからないためのポイントとして、大分県警は何よりもSNSで知り合った人からの投資の話、儲け話は詐欺を疑い、家族や友人、警察などに相談をしてほしいと話しています。
また、勧められた投資先などについて、インターネットなどで検索して、実在しているものなのか確かめてみる。
さらに、金銭を個人名義の口座へ振り込むように求められた場合は、要注意です。株やFXなどの取引で個人名義の口座は使用されることは基本的にはありません。
くれぐれもご注意ください。

 

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