ピロリ菌DNAから出生地推定へ 県警技術職員の研究で明らかに 犯人の身元特定につながる期待 

2024年03月28日 18:40更新

胃ガンの原因とされるピロリ菌。

このピロリ菌のDNAから菌を保有している人の生まれた地域に関する情報を推定できることが、県警の技術職員の研究で明らかになりました。

捜査などに役立つ可能性があり、大きな期待がかかっています。

この研究をし警察庁長官賞を受賞したのは、県警の科学捜査研究所の所長補佐小野孝明さんです。

小野さんは10年前から大分大学と共同で進める研究の中で、ピロリ菌のDNAにその菌を保有する人の生まれた地域を示す情報が含まれていることを発見しました。

ピロリ菌は免疫が発達していない3歳ごろまでに感染したり井戸水を飲んだりすることで感染するケースが多いといいます。

また、そのDNAは頻繁に突然変異をするため、さまざまな型がありますが、研究の中で地域や衛生環境などによる特性がみられたということです。

そのため、ピロリ菌のDNAを調べると菌を持つ人の出生地などを推定できるということです。

◆県警 科学捜査研究所 小野孝明所長補佐

「長年の研究の成果が認められてとてもうれしい。今回のピロリ菌DNAの研究は科学捜査への応用の第一歩ではあるが、今後ますます研究に精進していきたい」

世界の人口の50%以上が感染しているとされるピロリ菌。

唾液にも含まれていて、研究が進めば遺留品から犯人の身元の特定につながる可能性もあり今後に期待が寄せられています。

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