女子高生は「神楽」オタク「押し活の先に起業の道まで」伝統芸能への情熱・大分

2026年10月14日 18:30更新

アイドルやキャラクターを応援する「推し活」。

 

 

今回は、好きが高じて講演会を開催、さらには起業の道まで志しているという一風変わった推し活を調査します。

 

 

その人物はなんと、日本の伝統芸能「神楽」に情熱を燃やす女子高生。

 

 

抱くのは神楽を観光資源に押し上げるという壮大な夢。「ライバルは温泉」と語る彼女と共にディープな神楽の世界を覗いてみましょう。

 

  

柞原八幡宮で出会った「神楽のオタク」

 

今回の謎を調査すべく、わたくし竹尾は大分市の柞原(ゆすはら)八幡宮へやってきました。

 

 

どこからか神楽の音が聞こえてきます…。

 

 

その音に誘われて進んでいくと、完全に口角が上がった状態で、夢中でカメラを構えている一人の女性を発見しました。

 

 

竹尾:

 

「いま、熱心に何かを”推してる人”を探してるんですけど、もしかして…」

 

 

女性:

 

「はい。私が神楽のオタクです」

 

 

 

”神楽の推し活”とは一体

 

こちらが今回の取材相手、神楽が好きすぎて講演会まで開いたという横山桜空(さくら)さん。

 

 

現役の高校3年生です。

 

 

 

古くからある日本の神話を舞って奉納する伝統芸能、神楽。

 

 

桜空さんは、土日は全て神楽の鑑賞に時間を費やすほどの熱中ぶりだそうです。

 

 

 

 

人生を変えた神楽との出合い

 

本気で神楽の推し活を始めたのは2年ほど前からだという桜空さん。

 

 

そのきっかけは、少しユニークなものでした。

 

 

桜空さん:

 

「元々は全日制の高校に通ってたんですけど、そこでビジネスプランコンテストのチラシが配られて、起業したいって思うようになったんです」

 

 

起業するには、自由な環境が必要だと考えた桜空さんは、2年生の時に通信制高校に転校。

 

 

そこで改めて自分の好きなものを探求した結果、たどり着いたのが「神楽」だったといいます。

 

 

 

神楽の魅力に気づいた桜空さんは、それを祭りや神事としてだけでなく、観光資源としても活用できるのではないかと考えました。

 

 

ラジオに出演したり、講演会を開いたりしてその魅力を発信。

 

 

初心者でも楽しめるように演目のあらすじを解説するなど、高校生でありながら神楽をより身近に感じてもらうための活動を続けています。

 

 

 

気になるのは、その「推し活」の方法。

 

 

アイドルのようにミュージックビデオがあるわけでもないし…。

 

 

桜空さん:

 

「平日は、みんながミュージックビデオを見るみたいな感じで私は動画サイトで神楽を見て。土日は生の神楽を見る」

 

 

 

なんと、神楽の動画はたくさんに動画サイトにアップされているとのこと。

 

動画が充実しているうえ、休日は生の神楽を楽しむことができ、推し活のための素材はたっぷりあるとのことでした。

 

 

休日には自ら県内各地へ足を運び、撮影した写真をSNSに投稿しています。

 

 

 

神楽マニアが選ぶ、奇跡のベストショット3選

 

今回は特別に、そんな神楽マニアの桜空さんが選ぶ「神楽のベストショット」を3つ紹介してもらいました。

 

 

1つ目は、佐伯市の宇目神楽「大蛇退治」の一枚。

 

 

スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治する神話を題材にした演目「八雲払い」で、オロチを斬った瞬間を撮影した非常に貴重な写真だそうです。

 

 

 

2つ目は大分市の豊饒(ぶにょう)神楽の「柴曳(しばひき)」という演目から。

 

 

桜空さん:

 

「これ私、面を見るのが好きなんですけど、上から見ると笑ってるようにも見えるし、下から見ると怖いようにも見えるので、角度によって(表情が)違う気が私はしてるんですよね。」

 

 

面の表情の変化が魅力だといいます。

 

 

 

そして3つ目が、由布市の雲取(くまどり)神楽の「大蛇退治」で撮れたという奇跡の一枚。

 

 

桜空さん:

 

「オロチが途中でやられかけて、ぐるぐる巻きにされて頭から噛まれるんですね。ピンチを迎えるんですけど、下からぐわっと出てきて、刀を刺して力ずくで這い上がってくる。そこのタイミングを狙おうと思ってたんですけど、ここまでかっこよく撮れるとは思ってませんでした」

 

 

これは本当にかっこいい。

 

 

まさに奇跡の一枚。

 

 

 

マニアの解説で神楽観覧がもっと楽しく

 

この日は柞原八幡宮の浜の市ということで、せっかくなので桜空さんと一緒に、奉納される豊饒(ぶにょう)神楽を観覧させてもらうことに。

 

 

桜空さんと一緒に神楽を鑑賞します。

 

 

すると、さっそくマニアならではの視点が。

 

 

桜空さん:

 

「見てほしいのが、姫役の人。噂によると姫役の人は男性なんですよ。なのに男の人の雰囲気を一切感じさせない。しなやかで品があって小柄な女性に見える。」

 

 

言われてみれば、お面をつけているので中の人の性別までは分かりません。

 

 

他にも、足の運び方のほか、演者が舞台からいなくなった後の「お囃子のパート」など、見るべきポイントを教えてもらうと、神楽の楽しみ方がぐんと深まりました。

 

 

桜空さん:

 

「帰るまでが遠足と同じように、最後のお囃子まで神楽なんです」

 

 

なるほど、勉強になります。

 

 

その後も、桜空さんと一緒にたっぷりと神楽の推し活を体験させてもらいました。

 

 

 

「ライバルは温泉」高校生が描く壮大な夢

 

最後に、桜空さんの将来の夢について聞きました。

 

 

桜空さん:

 

「神楽を見ることを旅行パックのツアーの1つに入れたくて。それに向けて起業を頑張ってます」

 

 

なんと、神楽を観光資源に活用しようと、会社を立ち上げて社長になるのが目標だそうです。

 

 

桜空さん:

 

「私の1番の最終的なゴールは、大分県といえば温泉に並ぶぐらい神楽が来てほしいなと思っていて。神楽って、地域によって全然違うんですよ。いろんな温泉とかあるけど、神楽があるんだよっていうのを伝えていきたいです」

 

 

竹尾:

 

「ライバルは温泉か」

 

 

とてつもなく大きな目標ですが、桜空さんの情熱があれば、いつか実現するかもしれません。

 

 

大分の新しい魅力を作り出す彼女の挑戦を、これからも応援していきたいと思います。

 

 

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