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大分県豊後大野市に“日本一”に輝いたある特産品があるといいます。
それが伝統製法を現代に蘇らせた「金色出汁炭火干し椎茸」。
炭火でじっくりと時間をかけ生み出す、その芳醇な味と香りの秘密とは。
調査指令「豊後大野市の特殊な日本一を探せ」
今回の取材は「豊後大野市で日本一に輝いた」あるもの。
一体何が日本一なのか…
まずは情報が集まるであろう「道の駅みえ」で聞き込みを開始しました。

滝?高菜?それとも…?
道の駅で早速聞き込みを始めると、有力な情報が次々と寄せられます。
来店客:
「私が思うのは、原尻の滝ですかね。阿蘇山が噴火したときにできた滝で、春は桜とチューリップがきれいです」。

豊後大野の魅力的なスポットや名物が挙がりますが、どれも決定打には欠ける…。
そんな中、ある店員さんが自信を持って教えてくれました。
ーー店員さんは
「椎茸です。もう豊後大野は、農林水産大臣賞とかいろんな賞を取ってますから。大分県の日本一を引っ張ってると思います」。
今回の日本一の正体は「乾椎茸」に違いありません。

特殊な乾椎茸を求めて
日本一を求めて十時地区へ向かうと作業中の男性を発見。
この方こそ、日本一の乾椎茸を生み出した生産者の宗像修さんでした。

宗像さん:
「乾燥方法が特殊なんです。60年前ぐらいの乾燥方法に改良を加えて乾燥してます」。

炭火で4日間…じっくり育む黄金色の輝き
宗像さんのご自宅へお邪魔すると、その特殊な乾椎茸を見せてくれました。その名も「金色出汁炭火干し椎茸」。
これは、有名店のシェフらが魅力ある食品を発掘する企画「食べるJAPAN美味アワード2026」で、見事グランプリに輝いた逸品です。
通常の乾椎茸はボイラーを使い1日で乾燥させますが、宗像さんは炭火を熱源に、なんと4日間もかけてじっくりと乾燥させます。
宗像さん:
「私がまだ小さい頃に、祖母が七輪で何日もかけて乾燥させていたんです。それを真似してやってみようかと」。
この製法が唯一無二の風味を生み出すのです。

まずは、その出汁を試飲させていただきました。
透き通った金色に輝く出汁は、すっきりしているのに、椎茸の芳醇な香りが鼻を抜けていきます。
宗像さん:
「一般の椎茸は、えぐみが出ることがあるんですけど、なぜか炭火で干すとそれがなくなって、かえって旨味が増すんです。朝、味噌汁にちょっと入れるだけでも香りがパーンと広がります」

続いて、出汁を取った後の椎茸で作った佃煮をいただくと、その食感に驚きました。
乾物とは思えない弾力で、まるで生シイタケのようです。

クヌギ栽培、炭焼き、椎茸作り…驚きの「三刀流」
この美味しさの秘密は、乾燥方法だけではありませんでした。
宗像さんは、椎茸の原木となるクヌギの木を山で育て、伐採し、さらにその木の一部を使って自ら炭を焼いているのです。
椎茸を乾燥させるための炭も、自家製というわけです。
竹尾:
「クヌギの栽培と、炭も、椎茸も。二刀流どころではない」。
宗像さん:
「三刀流になりますね」。

原木の栽培から炭焼き、そして椎茸作りまでを一貫して行うこの持続可能な循環が、特別な乾椎茸を生み出していました。
元々、この乾椎茸は売れ行きが伸び悩んでいたそうですが、友人の勧めで「食べるJAPAN美味アワード」に出品したことで、その運命は大きく変わります。
結果を知らされないまま参加した授賞式。
宗像さんは、式の次第に自分の写真が一番大きく載っているのを、ちらっと見て「これは、いったかな」と受賞を確信。待ち時間で受賞スピーチを考えたというエピソードも語ってくれました。

伝統と革新が生んだ日本一の味
今回の調査で出会った「金色出汁炭火干し椎茸」は、伝統的な製法に改良を加え、作り手の情熱と持続可能な仕組みの中で生まれた逸品でした。
その芳醇な香りと豊かな味わいは、東京の料亭でも使われるほど。現在は年間約150キロを生産し、ネット通販や不定期の催事で購入できるそうです。
調査の過程で名前が挙がった原尻の滝や高菜漬けなど、豊後大野にはたくさんの魅力があります。今回の調査は、そんな奥深い魅力の一端に触れる、味わい深い旅となりました。
