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95年の老舗金物店の挑戦
大分県大分市の戸次本町で新たな挑戦が始まっている。主人公はIT企業に勤める傍ら、95年続く老舗を受け継ぐ藤川鴻太郎さん30歳。
リモートワークをしながら地元で目指すのは古き良き金物店の魅力をいかしたまちづくりだ。
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古き良き道具の魅力
藤川金物店は1930年の創業以来、家庭向けの生活用品を中心に販売してきた。70年代には水道工事事業も開始し、地域に根ざした経営を続けてきた。そして2年前、店の一角に誕生したのが「道具店 汀(みぎわ)」である。
4代目となる鴻太郎さんは、IT企業に在職中しながらレトロ感溢れる金物などを愛する、ある意味今風ではないアトツギ。
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ローカルの物質的な豊かさ
鴻太郎さんの本業はIT企業の広告プランナー。平日はリモートワークで仕事をしながら、週末に「道具店 汀」の運営を行っている。
「東京でITとかやってるいとローカルな物質的なものというか、魅力にだんだん気づいてくるんです。とても魅力的だなと思って」と、地元に戻ってきた理由を語る。
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「日本の暮らしを楽しむ」
「道具店 汀」で扱う商品は、県内で活躍する工芸作家の作品や伝統的な金物など、「日本の暮らしを楽しむ」をコンセプトにセレクトされた上質な道具たちだ。
半月型のまな板や、アルマイト製のカレー皿など、デザイン性と機能性を兼ね備えた商品が並ぶ。鴻太郎さんは「量販店さんでは売ってないようなデザイン」と、その独自性を強調する。
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地域に人を
鴻太郎さんの取り組みを、3代目の父も暖かく見守っているそうだ。「父はまちづくりのリーダーとも言えるような存在。お店を改装することでお客さんが(地域に)もっと来てくれるようになることを目指している」と親子でまち全体の活性化を目指している。
今後について、鴻太郎さんは「施設の中で滞在ができて、くつろいでいただける空間にしていきたい」と語る。具体的には、飲食機能や宿泊機能を追加し、より多くの人が集まり交流できる場所にしていく計画だ。
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トータルで楽しんでもらえるような体験を
新規事業の立ち上げに際し、鴻太郎さんは大分県の後継支援プログラム「GUSH!」を活用。専門家のサポートを受けながら、飲食事業や宿泊施設の準備に取り組んでいる。
「戸次は古民家を改装した素敵なお家が立ち並んでいて、グルメもたくさんあったりするのでトータルで楽しんでもらえるような体験を作っていきたい」と、金物店から始まる街づくりに意欲を見せる。
95年の歴史を持つ老舗金物店をまちづくりの中心に。伝統と革新が融合した挑戦はまちに新たな彩りを与えている。
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