日田市で住宅1棟が全焼 けが人なし 大分
ことし1月、大分県中津市で母親が当時7歳の娘を殺害した事件について、県は19日、当時の児童相談所などの対応の検証結果を公表し事件の防止は困難だったと結論づけました。
この事件はことし1月、中津市の自宅で当時7歳の娘を殺害した疑いで母親が逮捕・送検されたものです。
この事件を巡ってはことし4月、母親は犯行当時、心神喪失または心神耗弱の状態にあり罪に問えないとして大分地検中津支部が不起訴処分としています。
一方、母親が事件の前に中津児童相談所などに対し子育ての悩みを相談していたことから、その対応が適切だったか県の審議会が検証を進めていました。
その検証報告書がまとまり、19日、公表されました。
報告書によりますと、児童相談所では当時、母親の精神状態の悪化が推察できたことから、関係機関に情報提供を行っていました。
ただ、「児童相談所においても援助方針を見直すなどの対応を取る余地があった」と課題を指摘しています。
また、児童相談所は精神科医から助言を受けるなどしていれば「虐待リスク評価の引き上げに繋がった可能性がある」などととしています。
しかし…
◆検証をした審議会の委員 松永忠 部会長
「(母親は)精神不安の状態が急激に悪化した中で本児の殺害に及んでいた。関係機関とともに相応の対応をとっていたとしても本事案の発生を予測し、防止することはかなり困難だったと考えられる」
その上で、県では再発防止に取り組むことにしています。
◆県こども・家庭支援課 隅田妙子 課長
「このようなことは二度とあってはいけない。課題と提言を受け止めた上で着実に実行することが再発防止に繋がると思う」
県では今後、児童相談所の職員の研修や教育を充実させるなど体制整備を図ることにしています。