「農業×デジタル」など挑戦する中小企業を応援 行政機関が連携 【大分】

2023年09月19日 15:00更新

「99.9%」
この数字は大分県内にある企業のうち中小企業が占める割合です。
大分県の経済を支える中小企業を応援するため新たな取り組みが始まりました。

バジルの栽培過程を「見える化」

 

海と山に囲まれた国東市国見町。
ここで農業とデジタルを組み合わせ業績を伸ばしている企業があります。

――TOS佐野格記者
「こちらでは朝から続々と契約農家がバジルを出荷しています」

約40年続く「くにみ農産加工」です。
地元の生産者から持ち込まれたバジルを加工しバジルペーストを作っていて、その生産量は国内トップレベル。
大手メーカーの商品にも使われています。

この会社が2014年度に導入したのが生産者の栽培過程を「見える化」した独自のシステム。
バジルを「誰が」「いつ」「どうやって」生産したのかが一目で確認出来るようデータベース化しました。
その結果、品質管理が向上し生産者も過去の栽培過程をすぐ確認出来るため助かっているそうです。

――生産者
「システムが良くなって(農薬散布の詳細を)全部書いてくれているので、それに従って予防しているおかげさんで楽になった」

このシステムの技術の一部は特許も取得していて今後も改良を進めていくということです。

――くにみ農産加工 吉丸栄市社長
「(システムには)過去5年間ぐらいのデータが全部たまっているので、その時の自分の栽培方法でうまくいったかどうかっていうのを見る。(会社の商品が)世界レベルで評価されるようになろうというゴールを高いところに持っている」


 

挑戦続ける中小企業を連携で支援

 

くにみ農産加工のように挑戦を続ける県内の中小企業を応援しようと8月、新たな取り組みが始まりました。
県、九州経済産業局、そして中小企業基盤整備機構が
初めて連携して支援に取り組みます。
県内に企業の創業を支援する専門家が配置されるほか、デジタル化や新規事業などについて相談できる体制がより充実しました。

――中小企業基盤整備機構九州本部 池田章本部長
「大きく広くいろんな企業を迎えることが出来るので、これはものすごく大きな意義がある。挑戦していこうという気持ちにもなってもらえる、そういった支援ができればいい」

県では「大分には可能性を秘めた中小企業が多くあるので今後一層、強力にサポートしていきたい」と話しています。

これまで各組織が別々に行っていた中小企業の支援が今回の連携をきっかけにどのように変わるのか注目です。

 

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