大分の老舗釣り情報誌「つり太郎」ノウハウいかした意外なサービス

2022年03月05日 12:00更新
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皆さんは「週刊つり太郎」という雑誌をご存知でしょうか?昭和58年に創刊した大分の釣り専門情報誌で去年2月に休刊するまで40年近くに渡って雑誌の発刊を続けてきました。その発行は何と2003号にも及んでいます。

 

つり太郎は残念ながら休刊となっていますが、発行していた大分市の「アングラベース」はこれまでの強みをいかした意外なサービスで成功しています。

 

大分県内の事業成長を支援する「YUKEMURI NEXT. 」に参加する企業を紹介する第一弾では、このアングラベースについてご紹介します。

 

アングラベース

釣り専門情報誌が原点

 

現在、代表を務めている北村社長はもともと「週刊つり太郎」の2代目編集・発行人。印刷関係の仕事をしていた父親が創刊した「つり太郎」を30才の時に引き継ぎました。

 

「週刊つり太郎」最終号の表紙 多くの人に惜しまれながら休刊した

 

雑誌発行からスマホケース製作へ

全盛期に9000部ほどあった発行部数は、インターネットの普及による書籍離れなどの影響があり3500部ほどまで減少。

 

そして、この発行部数の減少以上に北村社長にとって深刻だったのが温暖化など環境の変化です。

 

雑誌を発行しながら環境保護活動にも取り組んでいた北村社長。アサリの減少や、それまで釣れていた魚が釣れなくなるなど経験則に基づいた情報が通用しなくなるほど環境の変化を肌で感じるようになったことも休刊の決断につながったそうです。

 

休刊の経緯について語る北村東太代表取締役

 

そこで、取り組み始めたのが…「スマホケース」の販売です。

 

一見、情報誌と関係ないように思えますが、実はそれまでのノウハウがいかされています。

 

魚をデザインしたスマホケースは今でも人気がある(寿司職人が購入することも)

 

スマホケースの生産に直結した強みが自社の印刷技術です。

 

雑誌を編集する中で読者に反応が良いデザインが分かっていたため、まずは情報誌の読者や釣りの愛好家向けに魚をデザインしたスマホケースを製作。

 

起動に乗ってきた後は、釣り以外の分野にもデザインのバリエーションを増やして販売数を伸ばし、オンラインショッピングモールへの出店などで年間2万5千個以上が売れています。

 

ほぼ全ての機種に対応したスマホケースが製造可能

 

もう1つの特徴は、発注した企業側が「在庫を抱えにくい」という事業スキームです。

 

これを可能にしているのが、最新機種から古い機種までベースになるスマホケースの種類を多数用意しているという点です。

 

何も印刷されていないスマホケースを大量に準備し、企業からの発注に応じて必要な数だけ印刷して納品します。

 

新機種の発売スパンが短いスマホケースで、企業側が在庫を抱えるリスクが低いというビジネスモデルが功を奏し、取り引き先は現在132社にまで拡大しています。

 

企業とのコラボ例

 

お米からスマホケースを作る

 

そして、環境問題にも取り組んできた北村社長の次の計画が「バイオマスプラスチック」を使用したスマホケースの商品化です。

 

このバイオマスプラスチックは「お米」からできているため環境に優しく、現在、テスト段階まで開発が進んでいます。強度など改良を重ねて近く販売を開始したいそうです。

 

開発に取り組む北村社長は「誰もが持っているスマートフォンが環境問題を考える1つのきっかけになれば」と話します。

 

ライスレジンと成型されたスマホケース

 

今回、ご紹介したアングラベース。

3月11日(金)に大分県産業創造機構が主催する「Yukemuri Startup Summit2022」(別府ブルーバード劇場)に登場し、事業概要などを詳しく説明します。

 

以下のHPから申し込みができます。

 

YUKEMURI STARTUP SUMMIT (yss.oita.jp)

 

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